書いてあることは、おそらく田端さんや箕輪さんをツイッターでフォローしている人たちには特段目新しい話はなかったと思う。正直「ツイートの焼き直し」と思わなくもなかった。 しかし、私はこの本が「紙の本」として出版されたことに賛辞を送りたい。なぜなら本書は、いわゆる「社畜」と呼ばれる個の立っていないサラリーマンに向けて書かれた本であると同時に、企業の経営層に「これから田端信太郎みたいなサラリーマンがいっぱい出てきますけど、どうしますか?排除しますか?それとも活用(放置)しますか?」という意思決定を迫っているように思えたからだ。 サラリーマンがブランド人になれるかは組織に依存するここで私自身のバックグランドを簡単に説明すると、この3月までは上場会社の子会社の社長で、5月からJリーグクラブに勤務しているサラリーマンだ。それ以前には「SNS原則禁止」の職場(会社全体ではなく部門単体で禁止)にも勤めたこと
※2018年11月の放送は、2017年4月に放送したシリーズです。 「人生論ノート」という一風変わったタイトルの本があります。1937年に冒頭の一章が発表されて以来、80年近くもロングセラーを続ける名著です。「怒」「孤独」「嫉妬」「成功」など私たち誰もがつきあたる問題に、哲学的な視点から光を当てて書かれたエッセイですが、その表題に比べて内容は難解です。書いたのは、西田幾多郎、和辻哲郎らとも並び称される日本を代表する哲学者、三木 清(1897- 1945)。今年生誕120年を迎える三木は、治安維持法で検挙され、獄死した抵抗の思想家でもあります。 三木はこの本で一つの「幸福論」を提示しようとしていました。同時代の哲学や倫理学が、人間にとって最も重要な「幸福」をテーマに全く掲げないことを鋭く批判。「幸福」と「成功」とを比較して、量的に計量できるのが「成功」であるのに対して、決して量には還元できな
近頃私は死といふものをそんなに恐しく思はなくなつた。年齡のせゐであらう。以前はあんなに死の恐怖について考へ、また書いた私ではあるが。 思ひがけなく來る通信に黒枠のものが次第に多くなる年齡に私も達したのである。この數年の間に私は一度ならず近親の死に會つた。そして私はどんなに苦しんでゐる病人にも死の瞬間には平和が來ることを目撃した。墓に詣でても、昔のやうに陰慘な氣持になることがなくなり、墓場をフリードホーフ(平和の庭――但し語原學には關係がない)と呼ぶことが感覺的な實感をぴつたり言ひ表はしてゐることを思ふやうになつた。 私はあまり病氣をしないのであるが、病床に横になつた時には、不思議に心の落着きを覺えるのである。病氣の場合のほか眞實に心の落着きを感じることができないといふのは、現代人の一つの顯著な特徴、すでに現代人に極めて特徴的な病氣の一つである。 實際、今日の人間の多くはコンヴァレサンス(病
三木清は哲学者、思想家です。京都帝国大を卒業し、ドイツ留学後、論壇に鮮やかに登場します。しかし時代の波に呑まれ、2度の投獄の憂き目に遭い、戦後の日本を見ずに、終戦の1ヶ月後に獄死しました。その著作は80年経つ今でも、色褪せないロングセラーです。 三木清とは三木清は1897年、兵庫県生まれの哲学者です。京都帝国大学で西田幾多郎に師事した後、岩波文庫の創始者岩波茂雄から資金援助を受け、ドイツ留学へと向かいます。ドイツではリッケルト、ハイデッガーの教えを受け、帰国後に処女作となる『パスカルに於ける人間研究』を発表し、一躍有名になりました。 法政大学文学部哲学科主任教授に就任すると、唯物史観の人間学的基礎づけに試みようとしていましたが、1930年に治安維持法違反で投獄され、教職を失ってしまいます。その後、著作活動を活発に行いますが、時代が戦争へと傾きかける頃、再び検挙されてしまいます。そして第二次
新書『広く弱くつながって生きる』の著者・佐々木俊尚さんと、小説『メゾン刻の湯』の著者・小野美由紀さん。おふたりが「これからのつながり方」について対談しました。 世代間を越えた交流って、簡単? 小野 佐々木さんみたいに、四〇から五〇代くらいの世代で、SNSを使いこなせる人たちは良いんですよ。「網の目」的なつながりを作りやすいから。でも、その世代でSNSなんかに無縁の層はどうやってそれを作ったらいいのかというのが、私はすごく謎なんですよね。 佐々木 四〇代とか? 小野 うん。 佐々木 それはよく訊かれます(笑)。 小野 そうですよね。今、そこってすごく課題なんじゃないかなって思います。 佐々木 でもね、それって別にSNSを使いこなせという話でもないんじゃないかなと思うんだよね。SNSは所詮補助ツールにすぎないので、別になんかわからないけど、三日にいっぺんは料理の写真を投稿せよとか、そういうハッ
ハフポスト日本版ニュースエディター。 公衆衛生、ジェンダー、調査報道が関心領域。masako.kinkozan@huffpost.com
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