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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (36)

  • 産業革命との比較は慰めにならない - himaginary’s diary

    タイラー・コーエンが、自動化の進展について悲観的な見方を表題のブルームバーグ論説(原題は「Industrial Revolution Comparisons Aren't Comforting」)で示している。 “Why should it be different this time?” That’s the most common response I hear when I raise concerns about automation and the future of jobs, and it’s a pretty simple rejoinder. The Western world managed the shift out of agricultural jobs into industry, and continued to see economic growth. So

    産業革命との比較は慰めにならない - himaginary’s diary
  • 経済学者は流行に乗りやすいのか? - himaginary’s diary

    エコノミスト誌が下記のグラフを掲げて、経済学者は流行りの研究に走りやすい、という趣旨のことを書いたのに対し、ノアピニオン氏が噛み付いた*1。 To me, this graph (which is just for NBER working papers) shows the opposite of what the article claims. Looking at the chart, I see a bunch of more-or-less monotonically increasing lines. Remember that the y-axis here is percent of total papers, so if these techniques are fads, we'd expect these lines to mean-revert. Instead,

    経済学者は流行に乗りやすいのか? - himaginary’s diary
    hmmm
    hmmm 2016/11/30
  • 最も財政の信頼性が高い国 - himaginary’s diary

    についてローレンス・コトリコフが書いている(H/T マンキュー)。 Economists have been slow to realize that the official debt and its annual change – the deficit — measures fiscal language, not fiscal policy. But the profession is now clear on the point. Over 1,200 economists, including 17 Nobel laureates in economics, have endorsed www.theinformact.org, a U.S. federal law mandating infinite-horizon fiscal gap accounting by gove

    最も財政の信頼性が高い国 - himaginary’s diary
    hmmm
    hmmm 2015/01/27
  • 誰がために壁は倒れた? 資本主義への移行の収支決算 - himaginary’s diary

    というエントリをベルリンの壁崩壊25周年を機にブランコ・ミラノヴィッチが書いている(原題は「For Whom the Wall Fell? A balance-sheet of transition to capitalism」;H/T Mostly Economics)。 そのエントリで彼は、一人当たり実質GDPの購買力平価による比較もしくはその成長率に基づき、資主義への移行国を以下の4つのグループに区分けしている。 明確な失敗国 2013年<1990年 タジキスタン、モルドバ、ウクライナ、キルギス、グルジア、ボスニア、セルビア 相対的な失敗国 成長率<1.7% マケドニア、クロアチア、ロシア、ハンガリー 追随国 1.7%<成長率<2% チェコ、スロベニア、トルクメニスタン、リトアニア、ルーマニア 成功国 2%<成長率 ウズベキスタン、ラトビア、ブルガリア、スロバキア、カザフスタン、ア

    誰がために壁は倒れた? 資本主義への移行の収支決算 - himaginary’s diary
  • 実質GDPの測り方 - himaginary’s diary

    ヒューストン大学准教授Dietz VollrathのブログThe Growth Economics Blogにおいて、GDPの国際比較を行う場合にどの価格体系を使うべきか、という点について興味深い指摘がなされている。同ブログでは携帯電話と散髪の二財モデルをベースに、米国とナイジェリアの仮想的な数値例を用いてその指摘を行っているが、その要点を簡単にまとめると以下のようになる。 ある国が価格pの財Aをx、価格qの財Bをy生産している場合、全体の生産高は Y = xp + yq = {x + (q/p)y}p となる。もしその国が財Bの生産に比較優位があり、量的にxよりもyが大きい場合、中括弧内のyの係数である(q/p)が大きいほど、その比較優位が強調された形で全体の生産が評価されることになる。ただ、一般に比較優位財の価格は国内では相対的に安価になり、(q/p)はむしろその国では他国より小さくな

    実質GDPの測り方 - himaginary’s diary
  • ピケティ本の簡単なモデル - himaginary’s diary

    ここで紹介した話題のピケティについて、デロングが若干の異議を申し立てている。 それによると、ピケティは富へのリターンrと経済成長率gの対比を主要テーマとしているが、その際、4種類のrを区別することを怠っているという。その4種類とは: 中央政府が借り入れを行うことのできる実質金利。これをr1とする。 社会経済における富への現実の平均リターンとしての実質金利。これをr2とする。 リスクを伴う平均的な富の純蓄積割合としての実質金利。これをr3とする。 資への見返り−収奪・破壊・課税のリスク+価値評価上昇−社会秩序維持目的の支出 額に関わらず資や富がもたらす実効所得。これをρとする。 何らかの形で標準化された富と年間所得の比率(例:4)における社会経済の富へのリターンの標準化された尺度。 このうちの最初のr1は、サマーズの長期停滞論に関係する。r1がインフレ率のマイナス値にまで低下すると、資

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  • 合理的政治人としての岸信介 - himaginary’s diary

    年末年始に何となく手元の岸信介に関するを幾つか*1眺めていたら、この人は基的に、一般に思われているような単なる権力志向の右翼政治家ではなく、所与の前提下で最適な政治解決策を求める、という、ある意味非常に学校秀才的な合理的行動を取る人だったのではないか、という気がしてきた。ただしその際、目的至上主義に走る余りルールを枉げることも辞さず、というスタンスが色々問題を呼んだように思われる。 以下、そうした観点から彼の行動を簡単にまとめてみる。 満州 満州国が建国されたという前提下で、最適な経済の仕組みを策定 「出来栄えの巧拙は別として、ともかく満州国の産業開発は私の描いた作品である」という有名な台詞にあるように、官僚の枠を超えて自由に腕を振るった 戦時経済 戦時経済という前提下で、最適な経済の仕組みを策定 場合によっては上司たる小林一三大臣との衝突も辞さず 人もその時は官僚としての振る舞いを

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  • コース経済学こそ本来の経済学 - himaginary’s diary

    北京天則経済研究所(Unirule Institute of Economics)のHPに、ロナルド・コースのインタビューが掲載されている(H/T Mostly Economics;最終版は(おそらく)こちら)。 コースは昨年の12月29日に100歳の誕生日を迎えたが、同日に天則研究所は北京、上海、シカゴを結んで記念のコンファレンスを開いた。また、「Coase China Society」という協会が新たに設立され、このインタビューは同協会が行なった、という形を取っている。インタビュアーはアリゾナ州立大学のNing Wangで、彼は現職に就く前にシカゴ大学でコースに師事しているほか、近々に以下の共著も出版するという。インタビューは12月28日と29日に行なわれたとの由。 How China Became Capitalist. Ronald Coase and Ning Wang 作者:

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  • 何がベル研を特別たらしめたのか? - himaginary’s diary

    以前ここで紹介したベル研を題材にしたジョン・ガートナー(Jon Gertner)による以下のを、同研究所に一時期在籍していたというアンドリュー・ゲルマンが書評している(ゲルマンブログ経由)。 The Idea Factory: Bell Labs and the Great Age of American Innovation 作者: Jon Gertner出版社/メーカー: Penguin Press発売日: 2012/03/15メディア: ハードカバー クリック: 59回この商品を含むブログを見る それによると、ベル研の成功の特徴は、その平凡さにあるという。 ベル研には、クロード・シャノンを除けば並外れた天才はいなかった、とゲルマンは断じる*1。確かにウィリアム・ショックレーは特筆に値するし、ジョン・バーディーンはノーベル物理学賞を2回受賞した唯一の人物だが、彼らはフェルミ、ファイン

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  • アセモグル=ロビンソンとCAPM - himaginary’s diary

    先月21日にアセモグル=ロビンソンが、「Why Nations Fail」に対するサックスのフォーリン・アフェアーズ誌上での批判に自ブログで反論したが(H/T Mostly Economics)、その内容はノアピニオン氏が“今まで目にした中で最も辛辣なものの一つ(one of the most acerbic I've ever seen)”と評するようなものだった。エントリの冒頭でアセモグル=ロビンソンは、先月初めに反論したスブラマニアンの書評は思慮深いものだったので丁寧に反応したのだが、サックスの書評はそうでないので無視していたものの、外野が五月蝿いので仕方なく反応してやる、といった趣旨のことを書いており、最初から喧嘩腰の姿勢を鮮明にしている。サックスもツイッターで大いに反論していて、そのツイートはこちらにまとめられている。 アセモグル=ロビンソンの反論は12項目に亘っているのだが、そ

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  • 中国がアセモグル=ロビンソン理論を打破するとき - himaginary’s diary

    ピーターソン国際経済研究所のシニア・フェローであるアーヴィンド・スブラマニアン(Arvind Subramanian)が、The American Interestの記事で以下の図を示し、中国が非民主主義的な割に経済発展の程度が高く、インドが民主主義的な割に経済発展の程度が低いのは、アセモグル=ロビンソンがWhy Nations Fail*1で唱えた理論に反するではないか、と噛み付いた(H/T Mostly Economics11/2エントリ)。 *2 それに対し、アセモグル=ロビンソンが自ブログで素早く反応した(H/T Mostly Economics11/5エントリ)。そこで彼らは中国について以下のように書いている。 ...when economic institutions take steps towards greater inclusivity — which has happ

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  • 崩壊の政治的論理:ソ連崩壊からの7つの教訓 - himaginary’s diary

    Centre for Liberal StrategiesのIvan Krastevが、ソ連の崩壊からEUの崩壊の可能性について7つの教訓を引き出している(Mostly Economics経由)。 連合が崩壊するわけがないという信念が、目先の利益のために反EU派に迎合的な政策を取ることや時間要因の軽視を通じて、崩壊の主要なリスクになるというパラドックス。 EUの崩壊はEU反対派がEU推進派に勝利することによってもたらされるとは限らない。長期に亘る機能不全の思わぬ帰結として生じ得る。指導者層が各国の政治力学を読み誤れば、そうした崩壊は加速する。 改革の欠如ではなく、方向性を誤った改革が崩壊をもたらす可能性がある。危機において政治家たちは「銀の銃弾」を捜し求めるが、その銃弾が死の原因となることが良くある。 主要なリスクは、周縁の不安定化ではなく、中央における反乱である。ソ連の運命を決したのはバ

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  • 逆選択が複数均衡をもたらす簡単な例 - himaginary’s diary

    がEconospeakのkevin quinnにより提示されている。 そのセッティングは以下の通り。 車の売り手が12人いる。車の品質は高、中、低の3種類存在し、それぞれの品質の売り手は4人ずつ。 買い手の留保価格は、高:15000ドル、中:10000ドル、低:5000ドル 売り手の留保価格は、高:11000ドル、中:7000ドル、低:3000ドル 車の買い手は10人。買い手はどの売り手がどの品質の車を売っているかは知らず、分布のみを把握している。 この時、各価格帯の買い手人数、売り手人数、期待価格、超過需要/供給(=買い手人数−売り手人数)は以下のようになる。 価格 買い手 売り手 期待価格 超過需要(+)/超過供給(-) 11000〜 0 12 10000*1 -12 7500〜11000 0 8 7500*2 -8 7000〜7500 10 8 7500 +2 5000〜7000 0

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  • ゲーム理論は直接的には現実に応用できない - himaginary’s diary

    とイスラエルのゲーム理論の大家アリエル・ルービンシュタインがThe Browserインタビューで述べている(Mostly Economics経由)。 その内容を簡単にまとめると以下の通り。 ゲーム理論というネーミングで、フォン・ノイマンは数学だけではなく広報宣伝での天才ぶりを発揮した。そのネーミングにより、何か単純なものが経済危機や核抑止力政策といった複雑な状況に応用できるという幻想を人々に抱かせた。自分の見方は同僚より極端かもしれないが、ゲーム理論は現実に直接応用できるという主張には与しない。 自分が比喩として良く用いるのは論理学。論理学は哲学や数学の興味深い一分野ではあるが、それがより良い人生を送る助けになるという幻想を抱いている人はいないと思う。良き裁判官は論理学を習得している必要は無い。論理学はコンピュータ科学の発展に役立ったが、友人との討論や、裁判官、市民、もしくは科学者として与

    ゲーム理論は直接的には現実に応用できない - himaginary’s diary
  • 大恐慌は大躍進だった? - himaginary’s diary

    下記ので、著者の Alexander J. Fieldがそう主張しているという。 A Great Leap Forward: 1930s Depression and U.S. Economic Growth (Yale Series in Economic and Financial History) 作者: Alexander J. Field Ph.D.出版社/メーカー: Yale University Press発売日: 2012/04/26メディア: ハードカバー購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (2件) を見る Economixでは、そのFieldに対するインタビューが掲載されている(Mostly Economics経由)。概要は以下の通り。 1941年の米国経済の産出量は1929年に比べ40%増大したが、その間、労働および民間資の投入はほとんど増加して

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    hmmm
    hmmm 2012/02/18
  • 逆依存人口比率と経済 - himaginary’s diary

    人口の高齢化と経済の低迷の関係は最近しばしば話題になるところであり、ブログでも折りに触れ取り上げてきた。 この問題に関し、先月初めと終わりに、日の著名なエコノミスト達による興味深い指摘が2つなされた。 一つは「This Time May Truly Be Different: Balance Sheet Adjustment under Population Ageing」と題された1/7付けの西村清彦日銀副総裁のAEA講演である(Mostly Economics経由*1)。 そこで西村氏は、生産年齢人口を依存人口で割った逆依存人口比率(the inverse dependency ratio)のグラフを描き、それがピークを付けた段階で各国のバブル(日、米国、欧州周縁国、そして中国?)もピークを迎える、という関係を示している(下図)。 Mostly EconomicsのAmol Ag

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    hmmm
    hmmm 2011/02/02
  • 帰無仮説下でのデータの生起確率と帰無仮説の確率 - himaginary’s diary

    アンドリュー・ゲルマンが、英国心理学会(The British Psychological Society)の研究ダイジェストブログのある記事にいたく失望させられた、と書いている*1。 その記事にゲルマンが失望した理由は、統計的検定に関する基礎的な間違いを犯しているからである。記事を書いたのはWarren Daviesというイーストロンドン大学(UEL)の修士生だが、彼を責めはしない、とゲルマンは述べている。彼の非難の矛先は、むしろ、英国心理学会の看板を掲げたブログでこのような記事の掲載を許してしまった編集者に向けられている。 どこが間違っているのかもっと分かるように教えてくれ、というコメントに応じて、ゲルマンは以下のように簡潔に説明している。 The following statement from the above quote is false: "all statistical t

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  • 失業に関する5つの神話 - himaginary’s diary

    WapoのFive mythsシリーズで、米国の経済政策研究所(Economic Policy Institute)のHeidi Shierholzが失業について書いている。以下はその要約。 失業手当ては人々に職を見つけにくくする 失業手当は、そもそもは解雇された労働者が自分の技術と経験に見合った職を見つける息継ぎの時間を与えるのが目的。しかし、今は息継ぎというよりはライフラインになっている。 確かに失業手当を打ち切れば失業者は必死に仕事を探すだろうが、今はその仕事が存在していないのだ。 失業保険は景気回復に寄与していない 失業者を支援するのは、職を創出する最も効果的な手段。というのは、失業者にとって、失業手当を料や家賃といった生活必需品に費やす以外に選択肢は無いので。 筆者(=Shierholz)の推計によれば、2009年の景気対策(ARRA)のうちの失業補償は、他に支出に回した場合に

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  • ローマーのチャーターシティ構想はクズだ - himaginary’s diary

    ガーディアンの論説委員Aditya Chakraborttyが「ポール・ローマーは優れた経済学者だ――しかし彼のチャーターシティ構想は駄目だ(Paul Romer is a brilliant economist – but his idea for charter cities is bad)」と題した記事でそう書いている(副題は「貧困国の主権と繁栄の交換という彼の計画は植民地主義の匂いがする(His wheeze that poor countries swap sovereignty for prosperity smacks of colonialism)」)。 記事の中盤でChakraborttyは、ローマーのチャーターシティ構想について、「問題なのは、その構想がクズだということだ。(Trouble is, the idea stinks.)」とばっさり斬り捨てている。続けて、次

    ローマーのチャーターシティ構想はクズだ - himaginary’s diary
    hmmm
    hmmm 2010/08/05
    すげえ、id:Chikirinに言及あり。
  • コチャラコタ「淡水学派と塩水学派? そんな区分は計算機技術の発達で消滅した」 - himaginary’s diary

    ミネアポリス連銀総裁のコチャラコタの論考「Modern Macroeconomic Models as Tools for Economic Policy」が評判を呼んでいる(例:マンキューブログ)。内容的には以前紹介した10の考察と重複する部分も多いが、以下に概略をまとめてみる。 コチャラコタはまず、1980年以降に発達した現代のマクロモデルの5つの特徴をまとめている。 資源制約および予算制約の明確化 家計の予算制約、企業の技術的制約、経済全体への資源の制約。 無から有を作り出すことがないようにする。 個人の選好と企業の目的の明確化 経済変数間の関係(例:金利と投資の関係)が経済の制度変更(例:FRBの金利ルール)によって変わる、というのがルーカス批判であった。その批判を回避するためには、資蓄積の技術や人々の2時点間の消費選好といった、政府の制度変更の影響を受けない、もっと根的ないし

    コチャラコタ「淡水学派と塩水学派? そんな区分は計算機技術の発達で消滅した」 - himaginary’s diary
    hmmm
    hmmm 2010/05/22