3月21 細田晴子『カストロとフランコ』(ちくま新書) 9点 カテゴリ:政治・経済9点 タイトルを聞いた時は二人を結びつけるものが頭に浮かびませんでしたし、「どうせ強引に共通点を見つけ出したりしているだけでは?」と思って買う予定にいれていなかったのですが、著者が外交官としてスペイン大使館に勤務し、政治学の本などを出している個人出版社の吉田書店から本(『カザルスと国際政治』)を出していることを知って読んでみました。 カストロとフランコの弾圧者としての側面をまったく描いていないなど、やや対象を美化しすぎているきらいもあって欠点もある本だとは思いますが、これは面白いです。 社会主義革命を成し遂げたカストロのキューバと、反共産主義の独裁者フランコ率いるスペインが、なぜ国交を断絶させずに付き合い続けたのか?という疑問から、キューバ・アメリカ・スペインの外交の三角形を見事に読み解いていきます。 著者は