東電福島第1原発事故がいっこうに収束の気配を見せない。それどころか、東電がこれまで否定し続けてきた第1号炉の“メルトダウン”が5月12日になってようやく明るみに出た。壊れていた圧力容器の水位計を取り換えたことで、本当の姿が明らかになったのだ。これまで多くの原子力専門家がその危険性を指摘していたにもかかわらずである。 そういえば、この事態は事故発生直後からNHKテレビで原子炉は「安全だ」「心配ない」と言い続けていた某東大教授が、最近はさっぱり姿を見せなくなったこととも符合する。「大衆(社会)を一時は欺くことができても永遠に騙すことはできない」という格言が存在する所以だ。時間が経てば経つほど、真実を覆い隠すことがますます難しくなるわけだ。1か月前に東電が発表した原発事故に向けての「工程表」は、これから「改訂に次ぐ改訂」を迫られることになっていくだろう。 ところがこんな危機的状況にもかかわらず、