【モスクワ=遠藤良介】グルジアによる同国北部の親ロシア分離派地域、南オセチア自治州への大規模攻撃に対し、ロシアが8日、現地に戦車部隊を増派するなど介入に乗り出した。2004年にグルジアで親欧米のサーカシビリ政権が誕生して以降、関係悪化の一途を辿っていた両国が戦争状態に突入、「ロシアの火薬庫」とも呼ばれるカフカス地方全体の情勢が急激に緊迫化する危険性が高まっている。 サーカシビリ大統領が明らかにしたところでは、ロシア軍の戦車など150両が自治州に侵入、さらにロシア軍機がグルジア領空を侵犯して居住区域を攻撃している。大統領は米CNNテレビに「ロシアは我々の領土で戦争を行っている」との認識を示した。 南オセチアの大統領を自称するココイティ氏は、グルジア軍による戦車やロケット砲、空爆で数百人の犠牲者が出たとしている。ロシアが同自治州に展開する「平和維持部隊」では10人が死亡、30人以上の負傷者が出