「地方創生」は道州制への迂回路としてのワンステップ――安倍政権は「自治体消滅」論とともに「地方創生」を掲げています。「地方創生」の狙いは何でしょうか? 安倍政権から「地方創生」という言葉が出てくるのは昨年の夏段階です。その前の5月8日に、増田寛也前総務大臣が座長になった日本創成会議というところが、かなりショッキングなレポートを発表しました。2040年までに、日本の自治体の約半数が消滅する可能性があるというものです。同時に、すべての対象自治体名が数字と共に公表されました。そして全国紙、地方紙問わず、マスコミがセンセーショナルに報道した。この地方消滅論は昨年8月末に中央公論社から出版されました。この本のタイトルは『地方消滅――東京一極集中が招く人口急減』で、帯には「896の市町村が消える前に何をすべきか」と大きく書かれていて、896の市町村が消えることを前提にして何をすべきかという政策論を考え