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軍のなかの腐ったリンゴ このところずっと船戸与一さんの『満州国演義』や辺見庸さんの『1★9★3★7』を読んでいたせいだろうか。先の戦争のことが妙に気にかかる。 前にふれたが、私は20年前、太平洋戦争に至る経緯を調べたことがある。陸軍の元エリート参謀たちに話を聞いて回った。そのとき痛感したのは、軍隊とは、正気と狂気の間をさまよう集団だということだった。 もし彼らが正気を保っていたら、あんなに広大な中国を制圧しようとしたり、圧倒的な国力の米国に戦いを挑んだりしただろうか。狂気が軍隊を覆っていたからこそ、日本は無謀な戦争に突き進んだのだろう。 問題は何が軍隊を狂わせたのか、である。それがはなはだ莫としていて、つかみどころがない。日本には、ナチスドイツの反ユダヤ主義のような明確な意志もなければ、ヒトラーのような独裁者も見当たらない。 満州事変―日中戦争の勃発―太平洋戦争へと戦線が拡大していく過程の
大手電卓メーカーのカシオ計算機株式会社が9月30日、同社のフラッグシップモデルとなる高級電卓「S100」を発売した。実税価格が2万円代後半という、業界でも特異な製品だ。なぜいま高級電卓なのか、開発者に聞いた。(取材・文=フリーライター・神田憲行) * * * ふだん読者のみなさんは電卓をどのくらいお使いだろうか。私自身はお金の計算処理はエクセルに任せ、出先でちょっと計算する必要が出てきたときはスマートフォンのアプリで事足りている。つまり電卓という「道具」を手にすることがほとんどない。 経理などプロが使うビジネス電卓の世界でも、主流は2000円から3000円までで、ビジネス用高級電卓でも7、8000円という。そこにいきなり1万円、2万円を超える「K点越え」の超高級品の登場である。なにがどう凄いのかは後述するとして、まずは企画者のカシオ計算機株式会社CES事業部第二開発室21商品企画室の大平啓
徹底した本物へのこだわり 「←」の形が決め手 LEDへの切り替えきっかけに興味 宮内庁の文化祭に秋篠宮家の長男悠仁さまが出品した、ほぼ実物大の信号機オブジェがツイッターなどで話題になっています。赤・黄・青と本物さながらに点灯できるオブジェは、確かに小学生の作品とは思えない大作。果たしてモデルとなった信号機は実在するものなのでしょうか? 大手メーカー2社に聞くと、今ではほとんど見られなくなった貴重なタイプの信号機であることがわかりました。 徹底した本物へのこだわり 悠仁さまの作品「車両用電球信号灯の模型」は、10日から宮内庁で始まった「宮内庁職員組合文化祭美術展」(非公開)に出品されました。発泡スチロールの板や電球を使用。実際の信号機を見たり、関連資料を読んだりしながら制作しました。 実物大へのこだわりもさることながら、電球を光らせるスイッチを収納するための「電源箱」の制作や、信号灯の点灯時
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