探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワから2010年に持ち帰った微粒子から、これまで知られていなかったひげ状の鉄の結晶を九州大などの研究チームが発見した。電気を帯びた粒子が太陽から吹きつける「太陽風」の影響で生じたとみられる。 結晶は微粒子に含まれる硫化鉄の表面にあり、長さは1千分の3ミリ程度。動物のひげのような形で、何本も延びている。このような結晶が地球上で見つかったことはないという。 大気のない小惑星は、強い太陽風にさらされる。鉄と硫黄の化合物である硫化鉄に太陽風が当たり、太陽風が運んだ水素が硫黄と反応して硫化水素ガスが発生。残った鉄が、揮発するガスで少しずつ運ばれ、500~1000年かけてひげ状に成長したのではないかとみている。
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