14日に93歳で死去した作曲家のキダ・タローさんは、「と~れとれ、ぴ~ちぴち、カニ料理」という印象的なフレーズで有名な「かに道楽」をはじめ、数々のテレビやラジオ番組のテーマ曲、コマーシャルソングを手掛けたことで知られる。関西人なら思わず口ずさんでしまう作品を生み出した「浪花のモーツァルト」は、反骨とユーモア精神を抱き続けた人だった。 警察官の家に生まれたキダさんと音楽の接点は、先の大戦中にさかのぼる。結核で亡くなった兄の遺品である、アコーディオンに親しんだことがきっかけだった。 終戦を迎え、占領下の日本に流れ込んできた米国のジャズ音楽の明るさと輝きに衝撃を受けた。キダさんは産経新聞の取材に、「カルチャーショックという文字が色あせるほど新鮮な驚き」と振り返り、こう続けた。 「戦時中にラジオから流れてきたクラシック音楽は荘重で重々しく、肩肘張っていた。権威主義といいますかね。それに反感を抱いて
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