日本時間8月3日早朝、スペースX社のクルードラゴン最終実証機が米・フロリダ州沖に着水し、2名の宇宙飛行士を乗せた地上からISSへの往復の旅を無事終えた。 【2020年8月3日 NASA/SpaceX】 米・スペースX社が開発した宇宙船「クルードラゴン」による初の有人試験飛行ミッション「デモ2」が、無事に全行程を終え、地球に帰還した。 クルードラゴン「エンデバー」号はNASAの宇宙飛行士Robert BehnkenさんとDouglas Hurleyさんを乗せ、今年5月31日(日本時間、以下同)に打ち上げられた(参照:「米、「クルードラゴン」で9年ぶりに有人宇宙飛行を再開」)。エンデバーという愛称は、BehnkenさんとHurleyさんが初めて搭乗したスペースシャトルに因んで2人が名付けたものだ。エンデバーは打ち上げから約19時間後に国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングし、ISSの第63
国内で53番目となる隕石が千葉県習志野市内で発見された。7月2日未明に出現した火球に伴う隕石とみられている。 【2020年7月16日 国立科学博物館/SonotaCo Network】 7月2日午前2時32分、関東地方上空に満月よりも明るい火球が出現した。火球は爆発を繰り返しながら西から東へと移動し、その様子は自動観測カメラや一般の防犯カメラ、定点観測カメラなどによって記録されていた。また、火球出現の数分後には衝撃波による低く大きな音が響き、広い範囲で聞こえたという情報が深夜にもかかわらずリアルタイムで報告された。 流星や高高度発光現象の観測ネットワークである「SonotaCo Network」では、関東をはじめ長野県や兵庫県などでも撮影された9本の映像を分析し、火球に伴う隕石が落下した可能性を指摘して、その位置を推定した。 隕石落下の可能性がある地域(提供:SonotaCo Networ
【2020年7月14日 JAXA】 昨年11月に小惑星「リュウグウ」を出発した探査機「はやぶさ2」は現在、地球まで9200万kmのところまで戻ってきている。太陽からの距離は約2億kmで、地球を外側から追いかける方向に飛行中で、残る航程は約3.2億kmだ。 これまで「はやぶさ2」の地球帰還は今年11~12月と発表されていたが、本日の記者発表会でその日付が12月6日(日)と発表された。JAXAでは宇宙物体のオーストラリアへの着陸許可を申請中で、許可取得に向けてJAXAとオーストラリア宇宙庁が協力して作業を実施中だ。 「はやぶさ2」は今後、9月中旬ごろまでイオンエンジン航行を続け、10月からは化学推進系を用いた軌道微調整を数回行う。そして地球帰還時に、リュウグウのサンプルが入っているとみられるカプセルを分離する。カプセル分離後、「はやぶさ2」は別の天体を目指して飛行を続ける予定だ。 「はやぶさ2
「はやぶさ2」が地球帰還に向けて第2期のイオンエンジン運転を開始した。9月まで運転が行われ、11~12月に地球に帰還する予定だ。 【2020年5月18日 JAXA はやぶさ2プロジェクト】 昨年11月13日に小惑星リュウグウを出発した探査機「はやぶさ2」は、同12月3日から今年2月20日まで第1期のイオンエンジン運転を行ってリュウグウから離れる軌道に移った後、今年末の地球帰還を目指して慣性飛行(推力を使わない公転運動)を続けてきた。(参照:「「はやぶさ2」地球帰還を開始」/「「はやぶさ2」、第1期イオンエンジン運転完了」 ) 「はやぶさ2」の地球帰還までの軌道と運用。9月まで第2期イオンエンジン運転を行い、その後はスラスターでの精密誘導を経て11~12月に地球に到達する(※各軌道の線は概念的なもので、違いを誇張して描かれている)(提供:JAXA) 5月12日7時00分(機上時刻、日本時間)
昨年末より記録的な減光を見せているオリオン座のベテルギウスの明るさが、1.5等級よりも暗くなったことが確実となった。 【2020年2月5日 高橋進さん】 オリオン座のα星で、全天でも最も有名な1等星の一つでもあるベテルギウスが昨年秋から暗くなってきていると話題になっていましたが、とうとう2等星になってしまいました。この後どのように推移していくか非常に興味深いところです。 オリオン座のベテルギウスは進化の進んだ赤色超巨星です。脈動により0.3等から0.9等くらいまでをおよそ400日くらいの周期で変光する半規則型変光星です。このベテルギウスが昨年の9月ごろから減光を始めました。12月には1.0等を切り、観測史上最も暗い減光などと言われました。 その後も10日で0.1等暗くなるというスピードで急速な減光が進み、1月30日に大金要次郎さんが行った光電測光のV等級で1.54等になり、眼視観測者からも
9月下旬に愛知県小牧市の民家周辺で見つかった黒い石が隕石と確認された。国内で隕石の落下が確認されたのは15年ぶりで、今後「小牧隕石」として学会に登録される見込みだ。 【2018年10月19日 国立科学博物館】 9月26日の夜10時半ごろ、愛知県小牧市の民家に大きな音が響いた。翌朝住民が調べてみると自宅の屋根に大きなえぐれた跡があり、また隣家の駐車スペースの屋根に穴が開き、その玄関前に黒い石が落ちていた。これらの状況から、黒い石は家の屋根に当たったあと、隣の家の駐車スペースの屋根を破って地面に達したとみられている。 隕石が当たったとみられる屋根。右図で大きくえぐれているのがわかる(プレスリリースより。隕石所有者提供) 10月初旬に問い合わせを受けた国立科学博物館(東京都台東区)が分析を行ったところ、この石から宇宙線生成核種からのガンマ線が検出され、まぎれもなく隕石であることか確認された。隕石
小惑星探査機「はやぶさ2」から分離された小型ローバー「MINERVA-II1」が撮影した、小惑星リュウグウの表面の新たな画像が公開された。 【2018年10月1日 JAXA】 9月21日13時05分(日本時、以下同)に小惑星探査機「はやぶさ2」から分離された「MINERVA-II1」の2機のローバー「Rover-1A」「同1B」は、小惑星リュウグウの表面をホップして移動しながら正常に動作しているもようだ。 今回新たに、分離の2日後となる9月23日(Sol.7)に両ローバーが撮影した画像が公開された。砂利のような岩石がリュウグウの表面を覆っている様子がわかる。カメラの画角から、砂利の直径は10cm前後と推定されている(注:Sol.(ソル):リュウグウにおける1太陽日(約7.6時間)。リュウグウに着地した日をSol.1として、表面での経過日数を表す)。 9月23日09時46分に「Rover-1
探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」から採取した微粒子の絶対年代が初めて求められた。イトカワの母天体は約46億年前に誕生し、14~15億年前に天体衝突で破壊され、その破片からイトカワが生まれたことが示唆されている。 【2018年8月10日 大阪大学】 2005年に「はやぶさ」が探査を行った小惑星「イトカワ」は、地球軌道よりも内側に入る軌道を持っていて、天体の長径も500mを超えるため、将来地球に衝突して大きな影響を及ぼすリスクがある「潜在的に危険な小惑星(PHA:Potentially Hazardous Asteroid)」に分類されている。こうした小天体がいつどのようにして生まれたか、また、どのくらいの時間をかけて軌道が地球に近づくようになったのかについては、これまで数値シミュレーションから得られた推定しかなかった。 大阪大学の寺田健太郎さんと東京大学大気海洋研究所の佐野有司さん・高
火星探査機「マーズエクスプレス」の観測データから、火星の南極の地下に幅20kmにわたって液体の水が存在する兆候が示された。 【2018年8月1日 ヨーロッパ宇宙機関】 火星の表面には、川の流域が干上がってできた網の目状の跡や大規模な洪水でできた地形など、過去に液体の水が存在していた証拠が見つかっている。しかし、気候変動によって表面の水は失われたと考えられており、現在の火星の表面に液体の水は見つからない。 そこで研究者たちは、火星の地下を調べている。ヨーロッパ宇宙機関の火星探査機「マーズエクスプレス」はこれまでの約15年にわたる探査のなかで、水の氷が極域に存在することなどを明らかにしてきた。しかし、液体の水が存在しているかどうかは、依然としてはっきりしていなかった。 伊・天文物理研究所のRoberto Oroseiさんたちの研究チームは、マーズエクスプレスのレーダー測定器「MARSIS」のデ
冥王星の衛星カロンで発見された山や谷などの地名が正式に承認された。実在や架空の探検家やSF作家などにちなんだ名前が付けられている。 【2018年4月13日 国際天文学連合】 冥王星で最大の衛星カロンはカイパーベルト天体の中でも大きな天体の一つで、その表面はクレーターや様々な地質学的地形に富んでいる。2015年にNASAの探査機「ニューホライズンズ」が冥王星とカロンに接近し、その表面の高精細画像を初めて撮影した。 このときに発見されたカロンの谷や地溝、クレーターについては、同ミッションの研究チームが暫定的に付けた名前がこれまで非公式に使われてきた。今回、天体とその表面地形の名称を管理している国際天文学連合(IAU)の惑星系命名ワーキンググループによって、ニューホライズンズの研究チームが提案した地名が正式に承認された。 同研究チームでは2015年にインターネットで「Our Pluto」キャンペ
探査機「ニューホライズンズ」が昨年12月に撮影したカイパーベルト天体の画像が公開された。地球から最も遠い場所で行われた撮影の記録を約28年ぶりに更新するものだ。 【2018年2月19日 NASA】 1990年2月14日、NASAの探査機「ボイジャー1号」は地球から約60.6億kmの彼方で地球の方向を振り返り、遠ざかる太陽系の姿を60枚の画像に収めた。そのときに撮影された1枚は「ペイル・ブルー・ドット(Pale Blue Dot)」と呼ばれ、地球が淡く青い点として写されている。 「ボイジャー1号」がとらえた「ペイル・ブルー・ドット(Pale Blue Dot)」(提供:NASA/JPL) それから約28年後の昨年12月5日、NASAの探査機「ニューホライズンズ」は当時のボイジャー1号よりもさらに遠い、地球から約61.2億kmの距離に到達し、長焦点カメラ「LORRI」を使って、りゅうこつ座の方
土星の衛星「エンケラドス」には全球規模の地下海があり、海底で熱水活動が起こっているらしいと考えられている。最新の研究から、エンケラドスの核の多孔度が高ければ、数十億年間は潮汐摩擦によって熱水環境が保たれる可能性が示された。 【2017年11月13日 ヨーロッパ宇宙機関/NASA JPL】 直径500kmの土星の衛星「エンケラドス」は表面を厚さ20~25kmの氷で覆われており、その下には塩分を含む全球規模の海があると考えられている。氷の一部は薄くなっていて、南極付近での厚みは1~5kmしかない。その南極付近の氷には割れ目が存在し、水蒸気や氷の粒子がジェットのように噴き出している。 「エンケラドス」の南極付近に存在する長く線状に伸びたひび割れ「タイガーストライプ(虎縞)」から、水蒸気や氷の粒が噴出している様子(提供:NASA/JPL/Space Science Institute) また、探査
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