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![2023年9月発売の新書新刊ラインアップ(発売日順) | ほんのひきだし](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/efa7eea059609c3e431cc8256d97a659d3656d66/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fhon-hikidashi.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2023%2F03%2Fshinsholineup.jpg)
酒を飲まなかった原田種夫は、コーヒーを愛し、文学仲間と一緒に喫茶店に通った。中でも「ブラジレイロ」の名は日記におよそ100回も登場する写真を見る 粋な着流しに雪駄姿で福博の街を闊歩した文士を、人々は親しみを込めて「ハラタネさん」と呼んだ。 「九州最後の文士」と呼ばれた原田種夫は、さまざまな顔をもっていた。 明治生まれの詩人であり、芥川・直木賞候補に計四度選ばれた小説家。九州全域の作家が初めて結集した同人誌「第二期 九州文学」の編集発行人であり、西日本文学史の研究者。さらには造本家でもあった。学生時代の一時期を除き、人生のほとんどを福岡市春吉に暮らした。 「九州文壇日記」は、昭和四年元日から、亡くなる前日の平成元年八月十四日まで書き続けた日記のうち、主に昭和四年元日から昭和二十五年までの二十一年間を抄録したものである。原田の年齢でいえば二十八歳から四十九歳。ペンという「剱(つるぎ)」に生涯を
前2016年3月期に上場以来初の赤字に転落したブックオフコーポレーション。「総合リユース業」への転換に向けて再スタートの年となった今2017年3月期第1四半期(2016年4~6月)は、売上高198億円と前年同期と比べて12%増収となった反面、営業利益は4.6億円の赤字(前年同期は0.8億円の黒字)と厳しい出足となった。 もっとも、今期は前期に実施したパートやアルバイトの大量増員による人件費負担や、「ヤフオク!」への出品にともなう配送費、中古家電買い取りのための査定システム費が期初からコストとしてかかるため、第1四半期と第2四半期は赤字の計画だった。 オンライン販売は増収増益 「第3四半期に黒字転換を果たし、第4四半期に利益を伸ばして通期営業利益8億円を達成するシナリオ。ほぼ想定線どおりのスタートになった」(堀内康隆取締役執行役員)。しかし、決算の内容を詳細に見ると、必ずしも計画通りとは言え
「ビデオアートの父」と呼ばれるアーティスト、ナムジュン・パイク。ビデオインスタレーションやパフォーマンスは、今なお多くの人を魅了し続けている。彼の没後10年を記念し、今年、7月17日からワタリウム美術館にて「ナム・ジュン・パイク展 2020年 笑っているのは誰? ?+?=??」が開催されている。 ナムジュン・パイク展「ナムジュン・パイク展 2020年 笑っているのは誰? ?+?=??」 本展では、ワタリウム美術館のコレクションから、インスタレーション、ビデオ、ペインティング、ドローイングなど230点が展示される。代官山 蔦屋書店のアートコンシェルジュ・秀熊麻衣氏は、このように話す。 「ワタリウム美術館では、1993年にもナムジュン・パイク展を開催しています。今回の展示タイトルが『ナムジュン・パイク展 2020年 笑っているのは誰? ?+?=??』なのですが、これは1993年の展覧会のカタロ
2016年上半期の芥川賞受賞作は村田沙耶香さんの「コンビニ人間」に決定!皆さんは、候補作を全て読まれましたか?20代〜40代までの3人の読者による候補作のレビューを座談会形式でご紹介します! 2016/07/15 2016年7月19日に発表された第155回芥川賞。村田沙耶香さんの「コンビニ人間」が見事受賞を果たしました。 19年の間、コンビニアルバイトを続けていた主人公・恵子の内面描写を通じて「一般社会」の不条理じみた同調圧力を浮き彫りにした今作ですが、作者の村田さんは現在も生活リズムを整えるためにコンビニバイトを続けているという、「異色」の作家。今後のさらなる活躍に注目が集まりますね! さて、受賞作の発表を受けて改めて質問です。皆さんは、芥川賞の候補作のことをどのくらいチェックしていますか? 例えば漫才コンテストでは、1位に輝いたコンビよりも2位以下でインパクトを残したコンビが売れるよう
児童文学で個性豊かな作品を発表している5人の作家が、小学校の図書室をテーマに書き下ろした短編アンソロジー「ぐるぐるの図書室」(講談社)を10月に刊行する。いずれも2006年にデビューして10周年の同期5人が、創作や読書などへの思いを語り合った。 ◇ ――なぜ児童文学を書くのか。 濱… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。
哲学犬ロダンと飼い主一家の日常を描いた「ロダンのココロ」で知られる福岡市出身のマンガ家・内田かずひろさん(51)が、新刊「ロダンのココロ いろはのきもちクリニック」(日本文芸社)を出した。「悩みを抱える人に寄り添えたら」とマンガと自身の体験談をつづった。 内田さんは高校まで福岡で育ち、卒業後に絵本作家を志して上京。90年にマンガ家デビューした。96年から朝日新聞、週刊朝日などで約15年にわたり「ロダンのココロ」を連載した。 今回の著書は、見開きの右側に「ロダン」の四コママンガ、左側には、福岡での少年時代から自らに感じていた不安、23歳で心療内科に通った体験など自分の心をめぐるエピソードを紹介する形式。完全主義、潔癖性、他人の視線への恐怖――。 「こんな変なことで悩んでいるのは自分だけじゃないか。そう思っていても、意外とそうじゃないんですよね。特に若い方の気持ちが少しでも軽くなってくれればう
人生に絶望はつきものだが、そういうとき、自分を救ってくれるのはビジネス本ではなく古典文学かもしれない──。そう語るのは、この度『絶望読書─苦悩の時期、私を救った本』(飛鳥新社)を上梓した作家の頭木弘樹さんだ。大学生のときに「潰瘍性大腸炎」という難病を患い、以後13年間も入退院を繰り返すことになった頭木さん。そんな絶望的な日々を支えたのがカフカやドストエフスキーであり、それはやがて入院仲間のビジネスマンたちにも広がっていったという。一般的に暗くてネガティブなイメージのあるカフカやドストエフスキーがなぜ“救い”になったのか? 頭木さんに話を伺った。 ──『絶望読書』では、絶望してるときこそ絶望の描かれている本を読もうとオススメされているわけですが、そのきっかけとは何だったのでしょう? 頭木弘樹(以下、頭木):これは自分の体験もさることながら、他の入院患者さんたちを見てというのが大きいんです。入
今週のお題「2016上半期」 上半期。光陰矢の如しで、もう本当になにやったか覚えてない。仕事と育児に忙殺された。 ただ、せっかくブログをやっているので、上半期に読んだ本でよかったものでもまとめてみようと思う。 小説とかのフィクションと、それ以外のノンフィクションを5冊ずつ。 ちなみに、作品の前に1.とか2.となってるけど、順位とかじゃなくて単純に読んだのが古い順にナンバリングしただけなのであしからず。 1.『太陽の簒奪者』 太陽の簒奪者 (ハヤカワJA) 作者: 野尻抱介 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2005/03/24 メディア: 文庫 購入: 10人 クリック: 131回 この商品を含むブログ (168件) を見る Kindleの年末セールで買った小説。 僕は小説のジャンルとしてはSFが一番好きで、ハードだろうがソフトだろうが国内外問わず読む。 そんな僕がこういう有名作品を
すでに知っている人は知っているだろうし、むしろ私のほうがこの作品についてのこれまでのネットの話題を知らないほうの人なんだが、ようするにコミックである。内容は表題通りで、あまりにさびしすぎてレズ風俗に言った女性の物語である、というと簡単そうだが、概ね28歳の女性実話である。私は見ていないのだがすでに大筋はネットでも公開されているが、それは「女が女とあれこれできるお店へ行った話」となっているようで、書籍化にあたりタイトルを再考したのだろう。 そういうことなんだが、話がまとまらないが、これ、コミックでなくて、文章のレポだったらどうだろうかとも少し思った。 実際には見やすく丁寧に書かれたコミックなので読みやすい。コマの割りや、ルポなのだが脚色も上手でいい作品になっている。 で、評価に困惑した。よい作品なのである。で、どう評論していいのか、とても困惑した。もちろん、評論なんかしなくたっていい。よい作
惚れたあの子のことが知りたいように、好きなゲームについて知りたくなるのは自然なこと。最新の動向を知るときこそネットには敵わないが、対象が生まれた背景や経緯を知り、知識や愛情を深めるには、本にも一日の長がある。だったらゲームについて、さらに一歩踏み込んで知ることができる書籍を編集部がピックアップしてみた。 すべての写真付きで記事を読む 今回は2017年3月に発売とアナウンスされている新ゲームハードNXが注目を集める任天堂がテーマ。任天堂をより深く知り、近づくための本を、簡単な解説を添えながら10冊選んだ。書籍、雑誌、手に入りやすいもの、いまとなっては入手が難しいものなどさまざまだが、なぜ任天堂はゲーム史において特別なポジションたり得るのか、その背景を知るにはぜひ読んでおきたいものばかり。 おしなべて任天堂が語られるとき、任天堂はゲームそのもの以外に寡黙であることが多いため、取材自体は難しくな
朝比奈秋 1981年生まれ。2021年「塩の道」で第7回林芙美子文学賞を受賞。22年、同作を収録した単行本『私の盲端』でデビュー。 〈作品〉「植物少女」2022年小説トリッパー秋季号、単行本は23年朝日新聞出版刊=第36回三島由紀夫賞受賞。「あなたの燃える左手で」23年文藝夏季号、単行本は23年河出書房新社刊=第51回泉鏡花文学賞、第45回野間文芸新人賞受賞。「サンショウウオの四十九日」24年新潮5月号。 尾崎世界観 1984年生まれ。2001年結成のロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル・ギター。12年、アルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビュー。16年、初の小説『祐介』を書き下ろしで刊行。 〈作品〉『祐介』2016年文藝春秋刊。『苦汁100%』17年文藝春秋刊。『苦汁200%』18年文藝春秋刊。『犬も食わない』18年新潮社刊(千早茜との共著)。『泣きたくなるほ
北海道には179の自治体があり、うち47の市町村が「まちに書店が1軒もない」いわゆる「無書店自治体」です。本道は他の都府県と比べ、面積が広大であるため「書店(あるいは図書館)が充実している都市部」までの距離が遠いという厳しい地域事情もあります。本会は「子どもからお年寄りまで、まちで暮らすだれもが本と出会える場づくり」を視野に入れた「社会実験」として「北海道の無書店自治体を走る本屋さん事業」に賛同いただける方のご支援をお待ちしています。 北海道ブックシェアリングとは わたしたちは、北海道と東北被災地で「読書環境の整備支援」を進めている「一般社団法人北海道ブックシェアリング」(本部・札幌)です。図書関係者と教育関係者によって2008年に設立しました。 読書環境を「公共図書館の設置率」「学校図書館の整備率」「無書店自治体率」の3つの指標で考えたとき、北海道は国内ワーストに近い状況にあります。一方
本の砂漠・北海道で社会実験 北海道では1998年を境に書店の数が減少の一途を辿り、現在、179市町村のうち約50の自治体が「無書店自治体(ゼロ書店自治体)」だ。市町村総数における「無書店自治体が占める比率」をみると、全国ワースト6位だが、北海道は本州と比べると広大な面積の自治体が多く、隣町に本屋があったとしても車で1時間とか、峠越えとかが珍しくない。路面の積雪・凍結期ともなれば、いっそう移動がキツく、「本の入手の困難さ」で計れば、おそらく全国ワースト1位だろう。 そうであっても公共図書館などで「まちの本の保有量」が補完されていれば、まだ良いのだが、公共図書館設置率で全国ワースト3位、学校図書館の整備(新刊購入予算の措置率)で同ワースト2位となれば「本の砂漠・北海道」という呼称もあながち誇張でなくなる。 「活字離れ」でもなく、「あらかたアマゾンに取って替わられた」わけでもなく、「電子書籍が市
◆『我が詩的自伝』吉増剛造・著(講談社現代新書/税抜き900円) 「今夜、きみ/スポーツ・カーに乗って/流星を正面から/顔に刺青できるか、きみは!」と初期詩編「燃える」で謳(うた)ったのが詩人の吉増(よします)剛造。現代詩のスターで、つねに我が身を、表現世界と向き合わせ、時代を切り拓(ひら)いてきた。 語りによる『我が詩的自伝』は、1939年生まれによる戦時下の体験から始まり、現在に至る内面の動きを映し出す。「青虫みたいにして受動的統合失調症と引きこもりが専門」の青年が、同時代の表現者たちと出会い、揉(も)まれ合い、吉増剛造を作ってきた。 著者の姿勢は、頻出する「非常時」という言葉で要約される。「死ぬか生きるかで書いてたもん」。詩は「すなわち、非常時そのものだった」というふうに。あるいは「キーパーソン」。岡田隆彦、島尾ミホ、中上健次、メカス、安原顯(けん)などが続々登場、詩人を螺旋(らせん
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