インタビュー 2016.04.13 朝日広告賞を受賞していなかったら、ピタゴラスイッチもだんご3兄弟もポリンキーもI.Qも生まれていなかった 東京藝術大学大学院 映像研究科教授 佐藤雅彦 朝日広告賞受賞者の、受賞の頃のエピソードから現在の活躍までを紹介する『Now&Then』企画。第2回目は、第35回で入選、第36回で朝日広告賞を受賞した佐藤雅彦さん。電通のCMプランナーとして数々のヒットCMを“独自の方法論”で生み出し、新たな広告セオリーを作り出した。電通退社後は、活躍の場を教育現場に移し、教育方法を学生と共に研究。幼児教育番組「ピタゴラスイッチ」や小中高生向けの教育番組「考えるカラス」なども企画・監修している。 佐藤雅彦 1954年静岡県生まれ。東京大学教育学部卒。電通を経て、1994年企画事務所TOPICS設立。99年より慶應義塾大学環境情報学部教授。2005年からは東京藝術大学大学
アンダーグラウンドからオーバーグラウンド、グラフィックからプロダクト、そして映像まで、縦横無尽に行き来するジャンルレスのデザインユニット「TGB design.」。近年は企業との共同開発が増え、さまざまなジャンルのスペシャリストと新しい表現のカタチをつくるクリエイティブ・プラットフォーム「TGB lab」を立ち上げた。現在、武蔵野美術大学と女子美術大学の非常勤講師を務める。「TGB design. / TGB lab」代表・石浦克氏に、これからのデザインのありかた、目指す「日本のカタチ」や、ご自身の仕事場についてお話を伺った。 グラフィック、プロダクト、そして映像 縦横無尽にデザインする「TGB design.」 「TGB design.」を結成したは1994年なので、もう20年以上やってきたことになります。メンバーの小宮山(秀明)とは小学校に入る前からの付き合いで、市古(斉史)とは予備校
ウォークマンやMD、プレイステーションの大ヒットで、世界的なエレクトロニクスメーカーとなった「世界のソニー」。一方、グラフィックデザインの世界で23年間、その最前線で微動だにせず、クリエイティブ集団として熱い支持を集め続けるgroovisions。その両者のデザイナー対談が実現した。 「最近元気がない?」なんて声もチラホラ聞こえてくるソニーだが、じつはそんな状況を打破するべく、さまざまなプロジェクトが動いており、今回の対談で紹介する「Life Space UX」プロジェクトは、その最たるものの1つ。 明らかに「Appleデザインブーム」の次を示唆する同プロジェクトの可能性とは? 実際に「Life Space UX」シリーズの製品(LED電球スピーカー)を発売日に購入したというgroovisions代表の伊藤弘と、「Life Space UX」プロジェクトに携わるチーフアートディレクターの田
昨秋、上野の森美術館で開催された『進撃の巨人展』の手描きポスターや、巨人風似顔絵を生成できる「巨人モンタージュ」の制作、『井上雄彦 最後のマンガ展』のアートディレクションから実物大の操縦可能ロボット「クラタス」のプロデュースまで、広告やデザインにとどまらず幅広い領域で活躍するクリエイティブチームが、株式会社カイブツだ。その発想の源を担うのは、『カンヌ国際広告祭』『ロンドン国際広告賞』『ニューヨークADC』など世界の広告賞で実力を認められる木谷友亮。その木谷&カイブツが、現代クリエイターの必須ツール「Adobe Creative Cloud」のイメージムービーを手がけた。そこに登場するのは、世界の色のすべてを飲み込み、吐き出し、新たな世界を生み出した『色を喰うアクマ』というキャラクター。その可愛らしくもエネルギーに満ちた姿は、これまでキャリアを重ねてきた木谷が、クリエイターとしての人生を振り
アンディ・ウォーホルからストリートアーティストのKAWSまで。ポップアートやポップカルチャーの大御所の傑作を大胆に引用し、独自のグラフィカルな感性で彩り直した作品群が並ぶ。作者は現代アーティストの山口真人。椎名林檎やAPOGEEといった数々の人気ミュージシャンのアートワークを手がけ、アート&デザインオフィス「IDEASKETCH」を率いるアートディレクターとしても活動中だ。プラスチックを素材とする「PlasticPainting(見せかけの絵画)」シリーズを制作し、『Scope Miami Beach』をはじめとするアートフェアで好評を博してきたそんな山口の新作個展『MADE IN TOKYO』が、8月21日よりGALLERY SPEAK FORで開催される。 「世界中の文化を模倣し、リミックスし、作り直す器」としての「東京」がテーマとなった今回の展覧会。山口にその発想の源を与えたのは、1
インタビューの場に誰がいて何が起こるのか、 始まるまでまったくわからない戦慄の企画「闇鍋インタビュー」最終回は、 東京で行われた。 これまではずっと、京都や大阪など、関西でやってきたので なんとなく雰囲気が違う。 ミシマ社の新居さんから場所の候補を聞かれたので、 このところちょくちょく打ち合わせなどで使っている、 東京駅のトラヤ・カフェをお願いした。 ここは駅の中で、とにかく便がいい。 そして、いつもすごく混んでいるけれど、 なぜか静かな空気感でゆっくりできるのだ。 今回は三島社長も同席で、 席が五人分用意されている。 あれ? 五人って、へんだよね、、 インタビュイーでしょ、私でしょ、新居さんでしょ、で、三島さん、、、 と思っていたら、 今回のインタビュイーはなんと、お二人だった。 落ち着いた、知的な雰囲気の男性がひとりと、 軽やかな、ひかるようなさわや
プレミアムクラフトビール「COEDO」、キリンビバレッジ「生茶」、山形の老舗じゅうたんメーカー「山形緞通」、iFデザインアワードでゴールドを受賞した「アーツ前橋」などのブランディングで知られるエイトブランディングデザイン代表の西澤明洋氏。学生時代は建築を専攻しながらも、デザインマネジメントを研究。一方では、「登竜門」を参考にデザインコンペに応募することでプロダクトやグラフィックの実績を作ってきたという。そのユニークなキャリアの積み上げ方、デザインについての思想や仕事に向かう姿勢について聞いた。 スタートは建築 エイトブランディングデザインは、ブランディングのみを専門にしているデザイン会社です。ブランディングという言葉は普及していますが、広告制作会社やデザイン会社が広告やデザインをメインにしながら、ブランディングも手がけていることが多いかもしれません。でも僕らは、ブランディングのみを追求して
プレミアムクラフトビール「COEDO」、キリンビバレッジ「生茶」、山形の老舗じゅうたんメーカー「山形緞通」、iFデザインアワードでゴールドを受賞した「アーツ前橋」などのブランディングで知られるエイトブランディングデザイン代表の西澤明洋氏。学生時代は建築を専攻しながらも、デザインマネジメントを研究。一方では、「登竜門」を参考にデザインコンペに応募することでプロダクトやグラフィックの実績を作ってきたという。そのユニークなキャリアの積み上げ方、デザインについての思想や仕事に向かう姿勢について聞いた。 スタートは建築 エイトブランディングデザインは、ブランディングのみを専門にしているデザイン会社です。ブランディングという言葉は普及していますが、広告制作会社やデザイン会社が広告やデザインをメインにしながら、ブランディングも手がけていることが多いかもしれません。でも僕らは、ブランディングのみを追求して
「エア マックス」の29周年を前にした3月、米国ポートランドのナイキ本社で「エア マックス」の原点とも言えるモデル「エア マックス ゼロ」が発表された。世界から集められた十数名のプレスを前にプレゼンテーションを行ったのはデザイナーのティンカー・ハットフィールド(Tinker Hatfield)。「エア マックス」の生みの親で「エア マックス ゼロ」の原案を描いた人物だ。自らを"フューチャリスト"と語るティンカー・ハットフィールドは、なぜ今原点に戻るのか?誕生から29年目を迎える「エア マックス」の誕生とスニーカーのこれからについてハットフィールドに聞いた。 ―出身はどちらでしょうか? ナイキの本社があるポートランドから16キロ離れた都市ヒルズボロで1952年に生まれました。ユージーンの近くで育ち、今もポートランドで働いるのでずっとオレゴンに住んでいます。陸上の奨学金を受けるかたちでオレゴン
色鮮やかな『サガ』のキャラクターたちはどのように生み出されるのか? 小林智美氏インタビュー【『サガ』シリーズ25周年記念企画】 25年の歴史を持つスクウェア・エニックスの『サガ』シリーズ。その名を聞いて、イラストレーター小林智美氏が描く、美しい色彩のイラストを思い浮かべる人も多いだろう。 本記事では、数々の『サガ』シリーズ作品でキャラクターデザインを担当してきた小林氏のインタビューをお届け。『ロマンシング サ・ガ』で初めてゲームのお仕事をしたときの思い出や、最新作『SAGA2015(仮題)』(プレイステーション Vita用ソフト。2015年発売予定、価格未定)についてなど、さまざまなお話をうかがった。 ※本記事は、週刊ファミ通2015年1月15日増刊号の別冊付録「SaGa Kaleidoscope(サガ カレイドスコープ)」に掲載されたインタビューに、加筆・修正を行った完全版です。 [関連
『心(こころ)』刊行百年を記念し,ブックデザインの第一人者にして自他ともに認める熱烈な漱石本ウォッチャーの祖父江慎が手掛ける新装版.漱石自筆の原稿と装画に立ち返り,デザインから裸の漱石に迫る! 歴史的かなづかいを読みやすい書体で組み,緻密な工夫と遊び心いっぱい.モノとしての本の魅力溢れる一冊. ずっと憧れていたブックデザイナーの祖父江慎さんが,漱石にとんでもなく詳しいということを知ったのは,今から10年前のことになります.雑誌『d/SIGN』8号(太田出版,2004年)に祖父江さんが書かれた「原寸!「坊っちやん」本文組100年」を読んだことがきっかけでした. 祖父江さんのクリエイティビティの背景には,文字組の歴史的変遷に関する膨大な研究があること,その座標軸に漱石の本があることを知り,私の中で,「祖父江×漱石×岩波」という組み合わせの本を読んでみたいという夢が芽生えました.その夢を膨らませ
タイプフェイスデザイナーの西塚さんにフォントデザインの話を聞いてみる (後編) 前半を読む 西塚涼子さんのインタビュー後編では、デジタルデバイスとフォントの相性やWebフォントなど、きっと読者のみなさんが気になるであろう質問をぶつけてみました。そして最後には禁断の質問も。無理を承知で答えていただきました。お楽しみください。 前回のお話を聞いてタイプフェイスを自作したくなってきたんですが、シロウトには難しいでしょうか? 難しくないけど、難しいです(笑) 手描きの文字をスキャンしてつくることも可能なので、デザインによってはそんなに難しくないかもしれません。 でも、かなフォントを作る場合でもひらがなとカタカナ、あと濁音、半濁点、点丸など入れるとグリフの数は200弱まで増えるんですよね。 50音の「50」って、まやかしですから(笑) そして手描きのオソロシイところは、「あ」から延々と描いてるうちに
2014年03月24日11:00 「新しい発想のために必要なこと」佐藤雅彦さんのインタビューが非常に良かった https://narumi.blog.jp/archives/4557834.html「新しい発想のために必要なこと」佐藤雅彦さんのインタビューが非常に良かった 中学生の頃、プレステの「I.Q.」に熱中して、「ポリンキー」とか「バザールでござーる」とか「カローラⅡ」のCMもよく見てました。だんご3兄弟とかも懐かしい。それが、「作ったのは全部同じ人だったんだ」、「佐藤雅彦さんという人なんだ」と知ったのはわりと最近のことでした。 昨年秋、学術・芸術・技術開発などの功労者に贈られる「紫綬褒章」を佐藤雅彦さんが受章されていて、そのときのインタビューがとても素晴らしかったです。 特に最後の若い人に向けたメッセージは今後、何度も何度も見返したいなと思いまして、以下に書き起してみました。 ◆◆
ある時は会社員、ある時は研究者、ある時は映像作家。異色のクリエイターである菅俊一氏が次のキャリアに選んだのは、「教育者」の道だった。その歩みを追うことで見えてきた表現者としての思い、そして「世界との向き合い方」とは? 会社員、研究者、映像作家、そして教育者へ。 知育玩具メーカーに勤務しながら、映像作家/研究者として活動を続ける菅(すげ)俊一氏。NHK Eテレ「2355/0655」ID映像、modernfart.jpでの連載「AA’=BB’」、DOTPLACEでの連載「まなざし」、著書「差分」(共著・美術出版社)など、幅広い分野で活躍するクリエイターだ。 そんな菅氏が2014年4月より、多摩美術大学に新設される美術学部統合デザイン学科の教員に就任する。就任予定教員は他に、深澤直人氏、永井一史氏、中村勇吾氏、佐野研二郎氏など錚々たる顔ぶれだ。 会社員、研究者、映像作家といった様々な顔を持つ彼が
VOL.4152019年9月20日(金)発売 「We all have Art. 次代のアジアへ――明滅する芸術(アーツ)」 今号「We all have Art. 次代のアジアへ――明滅する芸術(アーツ)」は、前々号(vol.413)「Flood of Sounds from Asia いまアジアから生まれる音楽」と題した音楽特集、そして前号(vol.414)「Self-Fashioning from Asia あらかじめ決められない流儀(スタイル)へ」と題したファッション特集に続く、アジア三部作の完結編となります。 特集では、ノーベル文学賞作家、ル・クレジオの未翻訳小説『ビトナ、ソウルの空の下』の特別抄録にはじまり、世界的大ヒットを記録している『三体』シリーズを手がける中国SF界の巨匠、劉慈欣(リウ・ツーシン)の自宅インタビュー、さらにここ日本でも注目を集めている韓国の文学/現代詩と社
デザイナー小泉誠、“せんせい”の顔 地域を駆け巡る家具デザイナー。そして武蔵野美術大学(以下、ムサビ)の教授でもある小泉 誠さん。デザインにおいて大切にしていることなど、普段は聞くことのできない話を聞いた。 つくりがいのあるものをつくっていく 小泉先生はものをつくるとき、生活ありきの道具、道具と人がどう関わるかに焦点を当ててデザインをしていると思うのですが? 生活や道具とかを考える前に、デザイナーが製造者のためにどういう役割を持つべきかが大事です。今のものづくりは、多くの場合、「これをつくりなさい」と言われてつくっている。でも、昔は違った。自分たちはこんなものつくったんだけどどうかな、いいね、それ使うから買うよ、というように、つくり手主導だった。しかし、今は「こういうものをつくりなさい」というのが商業的な流れ。そんな中でつくる人のやる気も失せて。「つくらされている」のが現状です。 自分たち
2013年10月、ソニーはカメラの新しい使い方を提案する「レンズスタイルカメラ」を発売した。スマートフォンに取り付けて使うレンズ型のカメラという、従来の常識を覆す新製品が生まれた根幹には、創業以来から貫かれたデザイン哲学がある。 プロダクトデザイン、UI(ユーザーインターフェース)、パッケージデザインを担当した山田良憲氏、柘植隆弘氏、赤川聰氏、野澤和倫氏にその背景をうかがった。 ソニーデザインでは、すべての製品の根幹をなすものづくりの精神として、5つのこだわりをソニー・デザインフィロソフィーとして掲げている。 ・愉快をデザインすること ・心地をデザインすること ・本質をデザインすること ・突出をデザインすること ・前人未到をデザインすること クリエイティブセンターでチーフアートディレクターを務める山田良憲氏は、このソニー・デザインフィロソフィーについて、次のように説明してくれた。 山田:こ
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