長野県上田市に、県外からも愛好者が訪れる有名な蕎麦店がある。同市が誇る戦国武将、真田家一族にフィーチャーした「真田太平記」の著者である池波正太郎氏も、執筆中によくこの店を訪れたそうだ。 その店の名は「刀屋(かたなや)」。 近隣の蕎麦愛好者なら知らない人はいない、全国にその名を轟かす(未確認)ほどの有名店である(と僕は思っている)。 メインストリートの商店街からやや外れた住宅地の一角にある店は、一階に立てかけてある大きな葦簀が目印。店内に入ると、木造の小ぢんまりした日本家屋風。やや狭いし薄暗いが、その雰囲気がいかにも昔ながらの蕎麦店という感じで趣があっていとをかし。 蕎麦茶に口をつけながらお品書きを見上げ、もりそば・普通盛りを注文。 刀屋における蕎麦の量は小盛り・中盛り・普通盛り・大盛りの4段階。なお、この店では他店における「盛りの量」の常識が通用しない。そこそこお腹空いてるから大盛りにしち