プロジェクトを円滑に進めるためには,顧客との密接なコミュニケーションが不可欠だ。とはいえ,ビジネス上の立場を忘れてなれ合うのはもってのほか。若手エンジニアのGさんは,顧客に対する見当違いの配慮で,プロジェクトに混乱をもたらしてしまった。 Gさん(28歳)は,独立系ITサービス企業のC社で,顧客向けの業務アプリケーション開発を担当している。5年前に入社して以来,職場の上司や先輩から「開発現場で経験を積むことが一人前になる近道だ」「どんなプロジェクトでも,必ず自分の肥やしになる」と励まされながら,開発一辺倒でやってきた。 そんなGさんに転機が訪れたのは,2005年11月のことである。A社における購買管理システム刷新プロジェクトの中核メンバーに抜擢されたのだ。しかも,開発だけでなく,設計業務まで担当することになった。 日ごろの努力が認められたことを喜んだのもつかの間,Gさんはこれまでにない重圧を
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