マックスプランクデジタル図書館(Max Planck Digital Library、MPDL)は、8月22日、英国王立協会(Royal Society)とOA(オープンアクセス)出版契約に関して合意したと発表した。 MPDLが英国王立協会発行の2つのOAジャーナル(Open Biology、Royal Society Open Science)の論文掲載料(APC)を一括して支払うことで、マックスプランクの論文著者らの便宜が図られるという。 [ニュースソース] New open access agreement with Royal Society ― Max Planck Digital Library 2018/08/22 (accessed 2018-08-24)
CHORUSは、8月16日、USAID(US Agency for International Development、米国国際開発庁)がCHORUSへの参加協定に合意したと発表した。これは、USAIDが助成した研究の成果物のパブリックアクセス拡大を目的としたもの。 ジャーナル上のUSAIDが助成したOA(オープンアクセス)記事及び採択済み論文へのリンクが提供されることで、USAIDのパブリックアクセスポータル利用者は、当該論文へアクセスできるようになる。また、USAIDは、CHORUSダッシュボード、レポートを利用することで、助成した研究の論文やデータへのアクセス状況のモニタリングが容易になる。 ※以上、USAID(accessed 2018-08-20) [ニュースソース] USAID Signs Participation Agreement with CHORUS ― CHORU
Scholarly Kitchenに、8月15日、"Advocating for Change by Limiting New Business: An Interview with BTAA's Kimberly Armstrong"(試訳:新ビジネスを抑制することで変化を支える:BTAAのキンバリー・アームストロング氏へのインタビュー)と題した記事が掲載された。 本記事は、北米の大学コンソーシアムの一つ、BTAA(Big Ten Academic Alliance)のライブラリーイニシアティブ・ディレクターのキンバリー・アームストロング氏へのインタビューをまとめたもの。学術コミュニケーションの現況、同コンソーシアムによる出版社等とのライセンス契約や交渉、特にテイラー&フランシス社との"moving wall"モデル※に関する交渉をとりあげている。 本記事では、テイラー&フランシス社が告
テクノロジー関連の最新ニュースや論説を配信するDigital Trendsに、"When we run out of room for data, scientists want to store it in DNA"(試訳:我々がデータストレージを埋め尽くしたとき、科学者はデータをDNAに保存する)と題する記事が掲載されている。これは、MITの研究者によるスタートアップ企業Catalog社が取り組んでいるDNAベースのデータストレージの開発を紹介したもの。 現在、世界中で1日に作成されるデータは約250京バイト、2025年には累積で160ZB(ゼタバイト) に達すると予測されているが、そのうち保存できるデータは全体の12.5%程度だという。 この問題の解決策として開発されているのが、生物由来ではない合成高分子を用いたDNAベースのストレージ。 本記事は、これまでの時間やコストのかかる方法
Scholarly Kitchenに、8月6日、"Interpreting Elsevier's Acquisition of Aries Systems"と題する記事が掲載された。これは、論文投稿・査読システムEditorial Manager 等を提供するAries Systems社の、エルゼビア社による買収について考察したもの。 記事では、出版社独自のシステム開発の断念や失敗例、自社開発の構築・管理の難しさ、研究者から不評を買っている点など、論文投稿システムの現状を指摘。 オープンアクセスの圧力が安定した収益源(ジャーナル購読料)を脅かしており、収入源確保のためにエルゼビア社が行ったデータ解析事業(Mendeley、Plum)、コンテンツ関連事業(bePress、SSRN)の買収などを挙げながら、Aries Systems社買収の背景を説明している。 今回の買収劇は大幅な収益増を見込
Scholarly Kitchenに、8月2日、"Measuring Societal Impact or, Meet the New Metric, Same as the Old Metric"と題する記事が掲載された。 近年、助成金や雇用における評価、政府やファンド機関による科学研究の社会的影響の可視化などのために、さまざまな評価指標が考案されている。 評価指標は有効な手段ではあるが、インパクトファクターやAltmetricsなどの指標は不完全なものである。"attention"は"impact"と同義ではなく、ましてや人気や注目を集めているものが「重要」とか「価値がある」とは限らない。 後に大きな社会的影響を及ぼしたインスリン研究をはじめいくつかの例を挙げ、初期の当該研究の効果は評価指標では測れないこと、研究には長い時間を要することを示しながら、評価指標と短期間での結果に執着する
IFLA(国際図書館連盟)のWebページに、7月31日、"What is a Data Librarian?: A Content Analysis of Job Advertisements for Data Librarians in the United States Academic Libraries"(試訳:データライブラリアンとは何か?米国の学術図書館におけるデータライブラリアン向け求人広告の内容分析)と題した論文が公開された。 これは、ALA JobLIST、Indeedなどから収集した50件の求人広告の内容分析を行い、米国の広告に掲載されているデータライブリアンの肩書、募集要件となるスキル、好ましいスキルなどを調べたもの。 主な結果として、以下が挙げられている。 ・広告に掲載されている肩書は"Data Services Librarian"(14件)が最も多く、次いで"R
エルゼビア社は、8月6日、ロシアのRFBR(Russian Foundation for Basic Research、ロシア基礎研究基金)とのナショナルライセンスを更新したと発表した。RFBRは、科学分野における基礎研究を支援することを目的として1992年に設立されたロシア政府が管理するファンディング機関。 RFBRは、今回のライセンス更新により、エルゼビア社のScienceDirectを引き続き利用できる。 [ニュースソース] Agreement gives Russian researchers continued access to Elsevier's ScienceDirect ― Elsevier 2018/08/06 (accessed 2018-08-08) [小欄関連記事] 2013年12月18日 エルゼビア社、ロシア基礎科学財団に"Scopus"と"ScienceDi
OA(オープンアクセス)出版に関する解説記事などを配信しているOpenScience.comブログに、8月2日、"Science Publishers Partner with Open Source Code Sharing Solutions to Strengthen Open Access to Empirical Data"(試訳:科学出版社らが実験データのOA強化のためにオープンソースコード共有ソリューションとパートナーシップを締結)という記事が掲載された。 Code Oceanは、研究者や開発者が学術ジャーナルや学会で公開されたソースコードを共有、発見、実行するためのクラウドベースのプラットフォームを提供する企業。 本記事では、同社とパートナーシップを締結したテイラー&フランシス、ケンブリッジ大学出版局、De Gruyter社、Partners In Digital Heal
Nature誌に、7月24日、"Preprints could promote confusion and distortion"(試訳:プレプリントは混乱と歪曲を促進する可能性がある)と題する記事が掲載された。 プレプリントには、研究者がプライオリティを主張できる、得られた知見をすぐに公開できるなどの利点がある。その一方で、内容の精査が不十分な情報が流通してしまう、事実が歪曲され伝わるなどのリスクも存在する。 本記事では、これらの問題の事例を交え、プレプリントのリスクについても十分に議論するよう促している。 [ニュースソース] Preprints could promote confusion and distortion ― Nature 2018/07/24 (accessed 2018-08-01) [小欄関連記事] 2018年05月31日 プレプリントの展望(論文紹介)
J-STAGE, 2018.08.29 皆さん、こんにちは。古い文庫本を読んでいるとたまに出てくる「カフエー」の文字を見つけるとニヤけてしまうカフエです。今回のコラムはCOUNTER R5のレポートを読み解くうえで必要な「メトリクスの種類」についてご紹介します。 このコラムを読む前に、最終的なレポートのイメージを掴んでから読んだ方がわかりやすいかもしれません。COUNTERレポートのサンプルはこちらから確認できます。チラ見してみてください。 ジャーナルの場合、レポートの形式としてはプラットフォーム全体のレポートとして「PR」「PR_P1」、資料タイトル別のレポートとして「TR」「TR_J1」「TR_J2」「TR_J3」「TR_J4」であることは前回のコラムで説明しました。 各レポートはExcelで見やすいフォーマットになっており、1行目から12行目まではレポートヘッダー、13行目は空白行、
J-STAGE, 2018.08.16 こんにちは、ダニエル・イッスです。 暑い夏が続きますね。みなさん何か夏らしいことしていますか? 私は小学生以来、約30年ぶりにラジオ体操に参加してます。地元の自治会の体育文化部に属しているのですが、その体育文化部が主催となって子供向けにラジオ体操を実施しています。50~60人の子供たちの前で私が見本を見せるわけですが、ラジオ体操第2はやったことがなかったのでかなり特訓しました。おかげで第2の曲が頭から離れない夏になってます。 さて、今回はダークアーカイブについてお話してみたいと思います。 『ダークアーカイブって?』 と思う方もいるかもしませんが、『ダーク』という言葉から、暗い・怖いイメージを感じるかもしれません。夏らしく少し怖い話を・・・という訳ではなく、ちゃんと学術に関するお話です。 ダークアーカイブを端的に言うと「電子化されたジャーナルの長期保存
2018年8月23日、Springer Nature社が、8月28日から、ORCID idの義務化を、Natureリサーチ誌全27タイトル、Natureレビュー誌全18タイトルに拡大するとともに、コンピュータ科学の会議録へのORCID id義務化の12か月のパイロットキャンペーンを実施していることを発表しています。 後者のパイロットキャンペーンにおいて、同社のコンピュータ科学の会議録シリーズのLNCS(Lecture Notes in Computer Science)において、少なくとも1人の著者・編者がORCID idを持つ書籍の割合が、2017年の48%から2018年は85%に増加したことが報告されています。 また、同社の論文投稿システム上の新しい著者の73%がORCID iDに紐づけられているとしています。 Springer Nature extends its support f
2018年8月22日、独・マックスプランク協会は、英国王立協会(Royal Society)とオープンアクセス(OA)出版について合意したと発表しました。 英国王立協会のOAジャーナルである“Open Biology”と“Royal Society Open Science”のAPC(論文処理加工料)が一括して支払われます。 New open access agreement with Royal Society(Max Planck Digital Library,2018/8/22) https://www.mpdl.mpg.de/en/about-us/news/481-new-open-access-agreement-with-royal-society.html Open access publishing (Royal Society) https://royalsociet
◆オープンアクセス新任担当者研修( B・C)を募集中(会員館限定)!! 詳細は2020/11/4 (水) 17:00頃メール配信しました「オープンアクセス新任担当者研修(プログラムB・C)の参加申し込み開始について」をご確認ください。
2018年8月2日、Elsevier社は、オンライン投稿・査読システムを提供するAries Systems社の買収を発表しました。 Elsevier社は、今回の買収は、Mendeley・SSRM・Plum Analytics・bepressの買収に引き続き、研究情報の生態系の改善を目指す革新的なオープンサイエンス企業を買収する同社の戦略に沿ったものと説明しています。 Elsevier to acquire Aries Systems, a best-in-class publication workflow solutions provider(Elsevier,2018/8/2) https://www.elsevier.com/about/press-releases/corporate/elsevier-to-acquire-aries-systems-a-best-in-class
EU一般データ保護規則(GDPR)と図書館への影響 個人データの保護を受ける権利は,欧州連合(EU)において基本的な権利と位置付けられている。EU一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPR)はその保護を強化し,域内のルールを統合する規則として,2016年4月に採択された。同年5月に公布・施行された後,2年間の猶予を経て,2018年5月25日から適用が始まった。以下では,GDPRの概要及び諸外国で検討される図書館におけるGDPRへの対応等を紹介する。 ●GDPRの概要 GDPRの保護の対象となる個人データは,識別された又は識別可能な自然人(「データ主体」)に関する全ての情報であり,氏名,住所,メールアドレス,IPアドレス,識別番号等を含む。GDPRは,欧州経済領域(EEA)域外への適用,高額な制裁金,個人データ取扱いに関する原則の提示,
FAIR原則と生命科学分野における取組状況 近年,学術研究の世界においてはいわゆる「オープンデータ」の潮流が世界的に広がっている。すなわち,研究の成果であるデータを公開し,共有することが科学の発展のために強く推奨されるようになった。さらに,データの公開・共有化もただやみくもに行えば良いのではなく,一定のルールに基づくべきだとされるようになった。このルールの中で現在最も世界的に人口に膾炙していると思われるのが,FAIR原則である。 FAIR原則とは,「Findable(見つけられる),Accessible(アクセスできる),Interoperable(相互運用できる),Reusable(再利用できる)」の略で,データ公開の適切な実施方法を表現している。FAIR原則は2014年にFORCE11(欧米の研究者,図書館員,出版関係者等から構成される団体)によって提案されたもので,提案に至る過程には
※2018/8/23ちょっと文献追加 図書館を退職して大学に移って日々感じていることの一つに、高校で日本史を取らずに大学に入って、後で日本文学やその他の授業でやっぱり日本史の知識がいるんじゃないかと苦しんでいる子の存在がある。日本史の担当教員になった以上、なんとかこういうギャップを埋めてあげたいと思う。 そんな関心から手に取り、目を通した本を並べてみる。 教科書・通史のリバイバル 最近は社会人にも日本史の学び直しがブームのようで、教科書が新しい形で出ている。アナウンサーが読んでくれる本なども出ている。 もういちど読む山川日本史 作者: 五味文彦,鳥海靖 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2009/09/01 メディア: 単行本 購入: 11人 クリック: 162回 この商品を含むブログ (63件) を見る もういちど読む山川日本近代史 作者: 鳥海靖 出版社/メーカー: 山川出版社
今年、本務校の大学で、「日本文化論」という講義を担当した。授業のレポートも締め切ったので、講義中で取り上げた本、発展的に知りたい人におすすめの本、本当は取り上げたかったのだが時間的制約で断念した本、などをまとめておく。不十分なリストであるが、検討し直しのための材料としたい。15回の授業でこんなに紹介するのはシビアだったはずだが、最後まで付き合ってくれた受講生に感謝したい。 最近、書店の棚にも色んな日本文化論本が増えている(ピンからキリまで)ので、このリストも、受講生が復習に使ってくれたり、何かの参考になるのであればありがたい。 なお、「日本文化」についてではなく、あくまで「日本文化論」の文献リストであることをお断りしておく。 総説 近年でも、日本文化論の概説書には事欠かない。そのなかのいくつかは名著とされているものもある。 南博の調査した文献だけでも、全部読むのは大変で、授業で取り上げるの
大学は、自身の透明性を確保する為、また説明責任やステークホルダーに情報提供する為に情報公開を行っています。この情報公開について平成30年度は大きな変革が進みつつあります。 そこで、情報公開に係る近年の法令改正や高等教育政策の中での議論を踏まえ、今後の大学の情報公開について取り上げます。 1.大学の情報公開に関する法令の改正 情報公開に関する学校教育法施行規則等の一部の改正 「今後の高等教育の将来像の提示に向けた中間まとめ」での情報公開 2.大学の情報公開や補助金との関連 把握・公表の義務付けが考えられる情報の例について 把握や活用、公表の在り方について一定の指針を示すことが考えられる情報の例 情報の公表に関するH30.9時点の状況とまとめ 1.大学の情報公開に関する法令の改正 大学の情報公開は、2011年度までは大学設置基準第2条により次のように定められていました 第2条 大学は、当該大学
立命館大学(京都市、学長・吉田美喜夫)は、株式会社ぐるなび(本社:東京都千代田区、代表取締役社長・久保征一郎 以下、ぐるなび)と食関連産業の発展を目的とし、地域の食材、食文化や料理人の調理技術の継承および伝承に向けた共同調査・共同研究を進めることとなり、8月9日に産学連携協定を締結いたしました。 本協定では、本学の食マネジメント学部や情報理工学部の教員を中心に、地域の食材・食文化を次世代に伝えるためのデータベース化、人間工学やサービス工学の知見を活用した働き方改革としての店舗作り、動画やロボティクスをはじめとしたセンシング技術を活用した料理人の技術保存・伝承のためのIT・データ化等に関する共同調査・共同研究を行います。これらの成果については、研究セミナーやシンポジウムを通じて社会に発信いたします。 また、本学学生がぐるなびなどでのインターンシップや両者によるサマースクールやウインタースクー
立命館大学 国境を越えた新しい時代の高等教育・研究機関を目指す 学園ビジョン「R2030」を策定 -- 学校法人立命館 -- 大学ニュース / 大学改革 / 教育カリキュラム 2018.08.07 16:00 世界的な高齢化や長寿命化、人工知能やロボットなどの急速な進展によるビジネス変革などが進み、これまでの価値観や方法論が覆される時代が訪れると予測されています。2030年に向けて立命館学園は、これまでの改革の蓄積による評価を社会に求め続けるだけではなく、立命館学園が描く未来社会のあるべき姿とその実現に向けたあくなき挑戦にこそ評価を求めていくことが必要だと考えます。この決意をもって、学園ビジョンR2030を掲げ、これからも2大学、4高等学校・中学校、1小学校を有する総合学園として、それぞれの志の下に未来社会を創造する先駆者を輩出し、立命館学園自らも先駆者として挑戦を続けます。 【概要】 ビ
引っ越したアパートの床が蔵書で埋まってしまった——というシーンから始まるエッセイ『本で床は抜けるのか』を本サイトに掲載したのが2012年。それ以来、蔵書をめぐるルポを書き続け、2015年には同名で書籍化、2018年には文庫化された。この連載や書籍の印象から、僕のことを“蔵書問題ライター”だと思っている方は多いかもしれない。 しかし、それは僕の一面でしかない。かつて「日本」だった国や地域、日本の国境の島々を回る、旅系・辺境系のライターとして僕のことを認識している読者もいるだろうし、僕自身、どちらかというと、そのように自負している。 今回の記事は、その双方の要素が入り交じっている。旅系・辺境系ライターとしての僕が最も憧れるジャーナリストの死とその蔵書の行方について記してみたい。 惠谷治さんはロシア革命を成し遂げたレーニンさながらの強面な風貌と、細かな分析による北朝鮮論評、アフリカやアフガニスタ
ユーザーに届ける価値を徹底的に追求する マーケティングを提供します © Copyright 2022 バズ部. All rights reserved. インフォグラフィックは、あなたの読者やファンを楽しませるコンテンツとして最適なものの一つだ。 さらに、ソーシャルメディアエキスパートのDan Zarrellaは、1万のFacebookページの中から合計130万の投稿を調べた結果、最も安定して多くのシェアを生み出すコンテンツは、画像コンテンツだということを発見した。 ※画像コンテンツの平均的なシェア率は0.25%、次に文字投稿で0.17%、3番目は動画投稿で0.1%。単なるニュースなどへのリンクの場合だと、0.04%しかない。 そして、ソーシャルメディアを有効活用するための、最も効率的な戦略は、見た目にも面白く、人の役に立つ画像コンテンツを定期的に提供することだという結論を出している。 こ
研究者にとって、インパクトの高い学術雑誌(ジャーナル)に研究論文を発表することは、研究者としての実績およびキャリア形成において重要です。ところが、近年、日本の論文発表数が減少していることが指摘されています。 ■ 日本の論文発表数は世界6位に低下 2018年1月、各国の科学技術力の分析にあたる全米科学財団(National Science Foundation, NSF)が発表した報告書Science and Engineering Indicators 2018で、中国の科学技術の 論文発表数 が初めてアメリカを抜いて世界首位となったことが、学術界に衝撃を与えました。この報告書はNSFが2年ごとに発表しているもので、2018年の発表は2016年の論文発表実績をまとめたもの。論文数ランキング10位までは、1.中国 、2.アメリカ、3.インド、4.ドイツ、5.イギリス、6.日本、7.フランス、
文章を書く時、他の文章や情報を参考にすることはよくありますが、情報源を正しく認識しておかないと、思わぬ落とし穴に落ちかねません。情報の出所を明記すること、他者から得た情報ならそれが信頼できるものかを確認し、記載しておくことは、情報を発信する者の責務です。今回は、論文を書く際の情報の扱いで注意すべきことを見てみます。 ■ 情報には2種類ある 論文に記載する内容が、どこから得た情報なのか。これを明確にすることで、読み手は、その内容が著者自身の考えや実験によって得られた結果に基づくものか、あるいは他者の考察や研究から得られたものかを知ることができます。引用しておきながら情報源を示さないと、盗用・剽窃となってしまう可能性もあります。内容が何であれ、多くの研究機関や大学は、情報源を明確に示すことを義務付けています。 情報はその情報源によって、一次情報と二次情報に分けられます。 一次情報とは、オリジナ
人工知能(AI)や機械学習(マシンラーニング)の研究が盛んです。機械が人間と同じように問題解決や学習などをするプログラムは近年、さまざまな分野において活用されており、今後この分野の研究はますます活発になることが予想されています。人工知能や機械学習の研究者は原則的に、オープンアクセスジャーナル上でその研究成果を発表してきました。そのような中、Springer Nature(シュプリンガー・ネイチャー)が2017年11月にNature Machine Intelligenceという新雑誌(ジャーナル)を発行すると発表したことが、思わぬ波紋を呼んでいます。 グーグル、インテル、アマゾン、マイクロソフト、IBMなどの大手IT企業をはじめ、人工知能(AI)研究者、コンピュータ科学を専攻する学生までも巻き込んだボイコット運動が起きており、学術界の枠を超えて、世界中の紙面をにぎわせているのです。 ■ 外
書店に行くと「教養」を謳う雑誌や本の多いこと。 ひと昔前のマジックワード「品格」「大人の~」と一緒やね。本来ソレが足りなかったり欠けていることを指摘して、その雑誌なり本を「買う」ことで補完できるというレトリック。あるいはソレに価値を見いだしている自尊心をくすぐるテクニック。騙されるほうが馬鹿なんだが、わたしもよく騙される(レジまで騙されたら負け)。 つまり「教養」を人質に、コンプレックスを煽るビジネスなのだ。 エセ教養人の手口 「ビジネスリーダーに求められる教養」とか「人生を豊かにする教養」という惹句で、人間関係を円滑にしたり信頼関係を築くためのツールとしての「教養」が重要だという。で、よくよく聞いてみると、ただの雑学や豆知識だったりする。要するに、アイスブレイクや知的マウンティングに使える小話のことを、「教養」と呼んでいるにすぎぬ。 そうやって「教養人」を名乗り、まとめサイトやWikip
忍者の情報求む。真偽は問わず-。三重大の国際忍者研究センター(伊賀市)は、全国の博物館や教育委員会、史料収集家など約800団体・人に情報提供の依頼文書を送る。題して「全国忍者調査プロジェクト(忍プロ)」。どこにどんな史料や伝承があるのかをデータベース化して国内外に発信するとともに、各地に出向いて史料を分析・調査する。 求めているのは、現代でいう給与明細や勤務記録、職員録のような史料から忍術書、家系図、日記までありとあらゆるもの。同大人文学部の山田雄司教授は「すでに知られている古文書で忍者の記述はあっても、そこに焦点を当てた研究が行われていない例もある」と指摘。「どんなわずかな情報でも」と呼びかけている。 8月中に依頼文の発送を終え、同センターのホームページでも情報提供を呼びかける。同センターの高尾善希准教授は「史料が多く集まれば、今後の研究課題もみえてくる」と期待している。 同センターは昨
働き方改革の旗印のもと、多くの企業では長時間労働の見直しや生産性向上に取り組み、時短や在宅での勤務も珍しくなくなった。反対に誰もが知る大企業が経営不振に陥り、従業員は先行きの不安に怯えている。 そんななか、自分の半径1メートル内の身近な仕事をネットで始めるという話をよく聞く。主婦の間ではメルカリで小遣い稼ぎをするのはもはや当たり前のことになった。 まさに本書のタイトル『スモール・スタート』だ。サラリーマンの副業・兼業も徐々に認められている今、動き始めることの大事さを説き、さらに方法論を懇切丁寧に説明していく。 著者は今年で40歳のイベント・プロデューサー。何万人も集まるようなイベントではなく、地域のコミュニティ作りやカフェの運営、地域や企業のPRの手伝いなど、人をつなぎ、場を盛り上げることが本職だ。 はじまりはまだ会社員だったころ。葉山の居心地のいい海の家で、客から店側に回り、手伝いを始め
かわいくてたまらん出版賞受賞決定! と勝手に叫びたくなる「かわいい」のオンパレード。七五三のあの初々しさ、節句の飾りの華やかさ、と日本の子どもの可愛らしさが凝縮されている、昔ながらの子ども着物。年中行事や年齢に応じた装い、文様、結び方など「日本子ども衣服史」にもなっている。B5判に写真等400点が満載で、「やっぱりかわいい」と後で読み返して頷くこと必至だ。今よりよほどおしゃれかも。眼福なり。 「年中行事や成長に合わせた着物、文様、帯結びから被布、羽織袴、背守りなどの知識までを紹介した決定版」となぜかタイトルにこんな一文が含まれるほどの内容だ。制作サイドも熱いのだ。 子どもが誕生してから13歳に成長するぐらいまでの間、行事ごとに子どもがどんな着物を着ているか、その際の風習や着る方法まで細かくまとめてある。とにかくその詳細が、見て、読んで、楽しい。 例えば、最近来ている男の子をよく見かける「甚
わたしたちが最もよく知っているものでありながら、それが結局何なのかはまるでわからないもの──そう、それが「私」である。「私」とはいったい何であるのか。また、わたしの脳からどうやって「私」が生じてくるのか。本書は、その難問に認知科学者のダグラス・ホフスタッターが挑んだものである。 ホフスタッターといえば、その前著『ゲーデル、エッシャー、バッハ』があまりにも有名だろう。彼がおよそ40年前に上梓したその処女作は、巧みな比喩とアナロジーで多くの人の知的好奇心を刺激し、世界に広く知られるベストセラーとなった。今回の著書でも比喩やアナロジーの巧みさは健在で、その内容も読者の想像力を大いに刺激するものとなっている。 では、「私」とは何であるというのか。それに対するホフスタッターの答えは、本書のタイトル(原題:I Am a Strange Loop)においてすでに表明されている。すなわち、「私」とは「奇妙
今日発売した本を仕事帰りに購入し、帰りの電車で貪るように一気に読んで、いまこの原稿を書いている。久しぶりにここまで熱狂しながらビジネス書を読んだような気がする。この本は予約の段階でamazonの総合ランキングで1位を取っていた。そのせいなのか発売日なのに書店にあった本はなぜかすべて2刷だった。それもそのはず、この本は発売日前で4刷りが決まっており、すでに3.7万部とベストセラーになることが約束されている本なのである。 ベストセラーの本を紹介するなんてHONZらしくない、という人もいるかもしれないが、そんなことは知ったこっちゃない!とりあえず今すぐ買って、すぐに読んで!決して後悔はさせないから!そんな気分になった本だから紹介をさせてほしい。 著者は箕輪厚介。いまビジネス書の世界で一番勢いのある編集者である。News Picks Booksというレーベルを立ち上げ、30万部のベストセラー『多動
OCLC News 第29号 商品情報をはじめ、OCLCに関する様々な情報をご案内致します。 『OCLC News』一覧 >> 目次 ニュージーランド国立図書館がWorldShare ILLに参加 ローカン・デンプシーによる、学術図書館の未来についての考察 ITHAKA S+Rが、Library Acquisition Patterns (LAP)プロジェクトの予備調査報告書を公開 WorldShare Management Servicesの採用 King’s College LondonがSustainable Collection Servicesを採用 ニュージーランド国立図書館がWorldShare ILLに参加 ニュージーランド国立図書館とOCLCは、国内の図書館がWorldShare Interlibrary Loan (WSILL)を利用できるようにすることで合意しました。
インドで一大市場を築いている疑わしい出版社/ジャーナルの存在が、国内のニュースメディア企業「インディアン・エクスプレス(IE)」によって明らかになりました。同社の調査によると、インドでは300社以上のハゲタカ出版社によって、数百誌のジャーナルが運営されています。この調査は、科学誌の信頼性をチェックするために国際調査報道ジャーナリスト連合が実施したグローバルプロジェクトの一環で、17万5000件の科学論文を対象に行われたものです。 世界中の研究者が、ジャーナルで論文を出版しなければならないというプレッシャーに晒されています。このプレッシャーは時に、信頼性が疑わしいジャーナルを選ばざるを得ない状況に研究者を追い込んでしまいます。調査の結果、ハゲタカジャーナルの多くに共通する点として、オンライン出版を採用している、出版前の編集チェックがない、編集委員会に経験豊富な編集者がいることをアピールしてい
当研究所では、日本及び主要国の科学技術活動を客観的・定量的データに基づき体系的に分析した「科学技術指標2018」を取りまとめました。 「科学技術指標2018」から見た日本の状況は次の通りです。主要な指標を見ると、日本の研究開発費、研究者数は共に主要国(日米独仏英中韓の7か国)中第3位、論文数(分数カウント)は世界第4位、注目度の高い論文数(分数カウント)では世界第9位、パテントファミリー(2か国以上への特許出願)数では世界第1位です。これらは昨年と同じ順位です。 日本の大学と民間企業との共同研究実施件数及び研究費受入額は着実に増加しています。企業の論文数は減少していますが、そのうちの産学共著論文数の割合は増加しており、企業の論文を生み出すような研究活動における大学の重みが増しています。 また、NISTEP創立30周年を記念して、科学技術指標の誕生期から開発期にかけてのエピソード等についての
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2.場所 文部科学省13F1~3会議室 3.議題 電子化の進展を踏まえた学術情報流通基盤の整備と大学図書館機能の強化等について その他 4.配付資料 資料1 学術情報委員会(第10回:平成30年6月27日)における主な意見 資料2_JSTにおけるオープンサイエンスにかかる取組(科学技術振興機構 小賀坂 康志知識基盤情報部長 発表資料) (PDF:3841KB) 資料3_オープンサイエンス研究データ基盤開発アップデート(国立情報学研究所 山地一禎教授 発表資料) (PDF:1315KB) 資料4 今後の学術情報委員会の日程について 参考資料 G7イタリア・トリノ科学大臣会合(概要)〔学術情報委員会(第5回:平成29年10月18日)配布資料〕 (PDF:447KB) 研究振興局参事官(情報担当)付学術基盤整備室 麻沼、小原 電話番号:03-6734-4080 ファクシミリ番号:03-6734-
2.場所 文部科学省3F2特別会議室 3.議題 電子化の進展を踏まえた学術情報流通基盤の整備と大学図書館機能の強化等について その他 4.出席者 (事務局)磯谷研究振興局長、千原大臣官房審議官(研究振興局担当) 原参事官(情報担当)、丸山学術基盤整備室長、高橋学術基盤整備室参事官補佐 オブザーバー 安達国立情報学研究所副所長、林科学技術・学術政策研究所上席研究官 5.議事録 【喜連川主査】 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第10回の学術情報委員会を開催いたしたいと思います。前回は、オープンサイエンス推進におけます課題につきまして、科学技術・学術政策研究所の林上席研究官から、「オープンサイエンスに関する政策討議と実態調査」というお題で御発表いただきまして、これをベースに非常に活発に議論させていただいた次第です。今回は、先週以降、国家の政策に関する文書が種々公表されたので、当委員
3.事業終了地域の取組 国際競争力強化地域 北大リサーチ&ビジネスパーク (PDF:841KB) 浜松・東三河ライフフォトニクスイノベーション (PDF:581KB) 関西ライフイノベーション戦略推進地域 (PDF:537KB) 研究機能・産業集積高度化地域 秋田元気創造イノベーション推進地域 (PDF:435KB) いしかわ型環境価値創造産業創出エリア (PDF:434KB) やまなし次世代環境・健康産業創出エリア (PDF:732KB) 和歌山県特産農産物を活用した健康産業イノベーション推進地域 (PDF:433KB) えひめ水産イノベーション創出地域 (PDF:407KB) 東日本大震災復興支援型 国際競争力強化地域 いわて環境と人にやさしい次世代モビリティ開発拠点 (PDF:412KB) 知と医療機器創生宮城県エリア (PDF:422KB) 次世代自動車宮城県エリア (PDF:40
日時 平成30年8月23日(木)15:30~17:30 場所 中央合同庁舎第4号館 2階共用第3特別会議室 議題 (1)データリポジトリの整備・運用について (2)その他 資料 資料1オープンサイエンスのためのデータ基盤の整備(概要)(PDF形式:393KB) 資料2国立情報学研究所 物質・材料研究機構 研究データポリシー(PDF形式:180KB) 参考資料1国立研究開発法人におけるデータポリシー策定のためのガイドライン(PDF:761KB) 参考資料2オープンサイエンス推進のための研究データ基盤の整備(PDF形式:422KB) 参考資料3国際的動向を踏まえたオープンサイエンスの推進に関する検討会 構成員名簿(PDF形式:388KB) 参考資料4国際的動向を踏まえたオープンサイエンスの推進に関する検討会 第5 回議事概要(PDF形式:143KB)
ブラジルのリオデジャネイロにある国立博物館で2日、火事があり、200年の歴史ある建物がほぼ全焼し、2000万点以上あった収蔵品の多くが失われました。 博物館は1818年に、当時のポルトガルの王が、エジプトの美術品や恐竜の化石など、みずからの収集品を集めて設立したもので、現地の消防によりますと、この火事で200年の歴史ある建物がほぼ全焼しました。 また、博物館には南米の先住民のミイラや植物の標本など貴重な資料が集められ、南米の自然史や人類学などを研究する重要な拠点となっていますが、2000万点以上あった収蔵品の多くが失われたということです。 消防によりますと、火が出た時、博物館の一般公開は終了していて、従業員なども外に避難したため、けが人はいないということです。 博物館は老朽化が進み、修繕工事の必要性が指摘されていましたが、おととしのリオデジャネイロオリンピック以降予算が削られ、工事が進んで
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インターネット専用の学術誌の中で、質が十分に保証されていない粗悪な「ハゲタカジャーナル」が増えている問題で、こうした学術誌を多数発行する海外の出版社を調べたところ、日本から5000本超の論文が投稿されていた。九州大と東京大、大阪大、新潟大からは各100本以上を確認した。専門家は「研究者が業績の水増しに使っている恐れがある」と懸念する。 この出版社は、本社所在地を中国と自社サイトに表記。医学や化学、物理学、経済学など幅広い分野でオープンアクセス型の320誌以上を発行し、米国の研究者が粗悪な学術誌を発行する世界の「ハゲタカ出版社」をまとめたリストに名を連ねる。2010年には、研究者に無断で過去の論文を掲載したり、無許可で複数の研究者を編集委員にしたりしていたことを英科学誌ネイチャーが紹介した。この出版社は取材に「リストは認められな…
オープンアクセスジャーナルの中には、投稿料(APC)による収益を目的とし、査読が適正に行われない粗悪なジャーナルが存在します。 このようなジャーナルに自身の論文を投稿すると、研究成果および投稿者に対する信頼性を損なう結果になりかねないため、投稿先の選定は慎重に行うようにしてください。 なお、京都大学で導入しているデータベース、 Web of Science および Scopus には、オープンアクセスジャーナルの評価が参照でき、投稿先を選定する判断材料とすることができますので、あわせてご利用ください。 参考: https://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/content0/13087 オープンアクセスについて > オープンアクセスとは 【ゴールド・オープンアクセス(オープンアクセス出版)】 2018/09/03掲載 [附属図書館電子リソース担当]
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