5年前に金星の周回軌道投入に失敗した探査機「あかつき」が来月7日、再び軌道投入に挑戦する。今回が本当のラストチャンス。日本初の惑星探査に向け、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の担当者は入念な準備を続けている。(黒田悠希) ◇ ◆同じ日に再投入 あかつきはカメラや電波を使って金星の大気を精密に観測し、気象のメカニズムを解明するため2010年に打ち上げられた。金星にとっての気象衛星ともいえる。 打ち上げから約半年たった同年12月7日、金星付近に到着。軌道を制御する主エンジンを12分間逆噴射し、速度を落として周回軌道に投入する計画だった。しかし開始から約2分半後に姿勢が乱れ噴射を中断。減速が足りなかったため、軌道に入れないまま通過してしまった。 姿勢の乱れは主エンジンの想定外の破損が原因だった。燃料タンクにつながるガス配管の弁が詰まり、燃料の供給が減って異常燃焼が起きた。