★「科学面にようこそ」の全バックナンバーへ ★アスパラクラブ内のブログ一覧へ 朝日新聞科学面のトップ記事と取材後記をご紹介しています。原則、月曜朝刊記事→水曜、木曜朝刊記事→土曜に掲載します。 アメリカ総局・行方史郎 「好奇心」を意味する米航空宇宙局(NASA)の探査機「キュリオシティ」が日本時間の6日、火星に着陸した。1トン近い機体を安全に着地させるため考案された空中つり下げ方式で、大気圏突入後の「恐怖の7分間」を克服。かつて生命が存在した証拠となる有機物探しが始まる。 ◇NASA探査機着陸 空中つり下げ方式実る 『恐怖の7分間』はまさに『勝利への7分間』になった」。着陸後、米カリフォルニア州のNASAジェット推進研究所であった記者会見で、ジョン・グランスフェルド科学ミッション担当副長官が強調した。 安全な着地には時速2万1千キロの速度を、火星の大気圏突入後の7分間で、ほぼゼロまで
翼を持ってグライダーのように着陸し、何回も使ってコストを下げる――そんな理想を掲げた米航空宇宙局(NASA)のスペースシャトルが30年の歴史に幕を閉じる。大勢の飛行士を宇宙に送り込んだが、2度の死亡事故やコスト高がたたり、そのデザインを引き継ぐ後継機は見当たらない。翼を持つ宇宙船は「あだ花」で終わるのか。
★「科学面にようこそ」の全バックナンバーへ ★アスパラクラブ内のブログ一覧へ 朝日新聞科学面のトップ記事と取材後記をご紹介しています。原則、月曜朝刊記事→水曜、木曜朝刊記事→土曜に掲載します。 東京科学医療グループ・吉田晋 大震災と原発事故で電力不足が予想される「節電の夏」。心配される大停電は電力の需給バランスが崩れて「周波数」が不安定になると起こるという。それはどんな仕組みで、停電はどこまで広がるのか。1ワットでも需要が供給を上回ったらアウトなのだろうか。 1987年7月23日、首都圏の1都5県で大停電があった。予報を超える突然の猛暑で昼休み後に冷房需要が急上昇。1分間に40万キロワットという過去の記録の2倍のスピードで消費電力が増え続け、電圧が急落したことが原因だった。計280万戸が最長3時間20分停電した。 「電圧崩壊」と呼ばれる現象。東京電機大の加藤政一教授は「発電所が大
★「科学面にようこそ」の全バックナンバーへ ★アスパラクラブ内のブログ一覧へ 朝日新聞科学面のトップ記事と取材後記をご紹介しています。原則、月曜朝刊記事→水曜、木曜朝刊記事→土曜に掲載します。 大阪科学医療グループ・東山正宜、川田俊男 東京科学医療グループ・小宮山亮磨 理化学研究所が富士通と共同開発したスーパーコンピューター「京(けい)」が、世界一の性能を達成した。NECの撤退や事業仕分け、東日本大震災の影響を受けながらも計画を前倒しして結果を求めた背景には、1千億円を投じた国家プロジェクトの意地と危機感があった。だが、「京の次」は白紙のまま。米国が巻き返しを図る中、日本はスパコン戦略を描けずにいる。 世界一をとった理研のスパコン「京」。電話ボックスほどの計算機を864台つなげる予定で、6月現在、744台が設置されている=21日、神戸市中央区 ◇意地のスパコン
大阪科学医療グループ・瀬川茂子 マグニチュード(M)9・0。東日本大震災を起こした巨大地震は、地震学の常識を覆した。なぜ、起こったのか、ほかの地域でも起こりえるのか。M9の謎を解明する研究が始まった。 ◇隠れた震源域 存在か 「M7級が単純に連動したという考えでは説明できない」。地震の解析をした名古屋大の古本宗充教授は話した。 政府の地震調査委員会は、宮城県沖でM7・5、さらに東側の隣接する震源域が同時に活動してもM8前後の地震と予測していた。今回は、周辺の震源域も同時に活動して巨大地震になったが、M7級の震源域の連動だけでは、M9の規模にはならない可能性がある。 古本さんは、断層の「すべり量」に注目する。地震を起こす断層の大きさだけでなく、すべった量も地震の規模に関係する。今回の地震で解析されたすべり量は最大24メートル。さらに大きいという見解もあるが、M7級の地震のすべり量は数メートル
大阪科学医療グループ・瀬川茂子 地球は大きな磁石だ。方位磁針はN極が北を向き、進む方向を決める助けとなる。この南北は不変ではなく、時代によって向きが正反対に変わる――。1920年代、京都帝国大学教授の松山基範は、当時の常識に反する「地磁気の逆転現象」を発表した。 ◇松山説「地磁気逆転」岩石から導く 幾重にも積み重なった柱のような岩壁にある採石場跡の洞穴。兵庫県の「玄武洞」は、世界遺産の地質版といわれる「世界ジオパーク」に認定された山陰海岸の観光地だ。 1926年、ここの岩石が示す磁石の性質を調べた松山は不思議なことに気づいた。 南北が逆になっている――。この岩石ができたころの地球の磁場(地磁気)が、現在と逆だったと考えた松山は、その後の調査も踏まえ大胆な学説を発表した。 「時代によって、地磁気の方向は逆転する」 評判はさんざん。松山の伝記をまとめた花園大学の前中一晃教授(地球科学)による
東京科学医療グループ・行方史郎、佐藤久恵 ◇人材減り撤退企業も 国際宇宙ステーション(ISS)への無人補給船「こうのとり(HTV)」を乗せたH2Bロケットの打ち上げで、H2Aと合わせた成功率が95%になった。信頼性が高まり、宇宙航空研究開発機構と三菱重工業は、打ち上げ市場で戦うための低コスト化に向け、次世代ロケットH3の技術検討に入った。開発を続けなければ人材と技術が保てない事情が背景にある。 「老齢化とまでは言わないが、とても若い人を投入できる状況にはない」 三菱重工業の大宮英明社長の説明に昨年6月、文部科学省宇宙開発委員会のISS特別部会は静まりかえった。 三菱重工業は、国からロケット開発を請け負い、技術者を育ててきた。ところが、ISSの日本実験棟「きぼう」やH2B、HTVの開発が終わり、有人宇宙関連の設計技術者は2001年度に141人いたのが、08年度は58人
1位は小惑星探査機「はやぶさ」の帰還、2位は日本人2人のノーベル化学賞受賞――。科学関係の報道に携わる朝日新聞記者が、投票で今年の科学10大ニュースを選んだ。日本の底力を世界に示した二つの明るいニュースが、他を引き離した。 ◇第1位 はやぶさ帰還/技術を証明、社会も注目 小惑星探査機「はやぶさ」が6月13日、60億キロの旅を経て、7年ぶりに地球に帰還した。故障、通信途絶、エンジン劣化……。何度も絶望視されながら、そのたびに宇宙航空研究開発機構の研究者らの機転で乗り越え、小惑星「イトカワ」の微粒子が入ったカプセルを持ち帰った。 技術的な成果も多かった。電気で進む新開発のイオンエンジンは「1円玉を持ち上げるほど」の推進力しかないが、燃費がよく、宇宙のような空気抵抗のない場所では大きな加速を得られる。 地球からの指令がなくても、自らカメラの画像を確認して航行する技術も実証。大気圏に再突入したカプ
「GPU」で最速スパコン [10/11/19] 東京科学医療グループ・東山正宜、小宮山亮磨 中国のスーパーコンピューターが計算速度で初めて世界一になったスパコンランキング「TOP500」では、中央演算処理装置(CPU)に加え、「GPU」と呼ばれる画像処理装置を多く積んだスパコンが、上位5台のうち3台を占めた。高速の割に小型で消費電力も少ないのが特徴だ。スパコンは大規模化が限界に来ており、GPUや専用演算素子を駆使した新世代へと、急速に多様化が進んでいる。 ◇CPU機より小型・省電力で高速計算 世界一の「天河1号A」(中国国防科学技術大)は、2位の「ジャガー」(米オークリッジ研)の約1・5倍の計算速度をたたき出した。 天河の部品のほとんどは米国製だ。TOP500などによると、米インテル製のCPU1万4千個と、米エヌビディア製のGPU7千個からなる。 これまでのほとんどのスパコンがCPUだけ
危険な天体探して監視/地球衝突回避へ国際プロジェクト [10/10/29] 東京科学医療グループ・東山正宜 地球に衝突する可能性のある天体を、米、独、英、台湾が協力して見つけ出す国際プロジェクト「パンスターズ」が本格稼働を始めた。ハワイにつくった望遠鏡で全天を捜索し、ぶつかれば大災害をもたらす直径1キロ以上の天体の動きをすべて把握するという。9月には最初の「危険な」小惑星も発見した。この捜索網を活用して、太陽系の成り立ちや暗黒物質、暗黒エネルギーの解明にも期待が寄せられている。 ハワイのハレアカラ山にあるパンスターズの望遠鏡=Rob Ratkowski氏提供 地球にぶつかる可能性がある小惑星2010ST3=パンスターズ提供 ◇望遠鏡で50㍍小惑星発見 「2098年に地球にぶつかる可能性がある」。米ハワイ大などは9月27日、パンスターズが初めてそんな小惑星を発見したと発表した。大きさは約
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く