1960年代~1970年代前半は、日本人が本格的に世界を意識し始めた時代です。特にメイクアップに関しては、白・黒・赤の伝統的な3原色から脱却し、口紅に淡いシャーベットトーンが登場し、メイクアップの幅が格段に広がりました。女性のファッションアイコンは映画女優から、コーマーシャルで活躍するモデルへと移行します。それに伴い、上瞼に二重ラインを描き、大げさなつけまつ毛を付け、立体的な眼の大きな西洋人モデルのようなアイメイクアップが流行します。肌に関しては、西洋志向のピンク系の明るい肌が主流ではあるものの、日本史上初めて日焼け色の肌が大流行した時代でもあります。1970年代に入ると、ベトナム戦争、反戦運動、ヒッピーの登場、石油ショック、急激な工業化による公害問題など、戦後急成長する日本に暗い影を落とします。それに伴いメイクアップは、60年代に元気につり上がっていた目もとが、目の下にシャドーの入ったタ