春は異動や転勤など、居場所が変わりやすい季節であり、新たな出会いも増えやすい。初対面の相手とは、互いに緊張しがち。そんな出会いのシーンでも、自然な笑顔があれば、気持ちがほどけるが、これが意外に難しい。笑顔が素敵な人を見ると、うらやましささえ覚える。 書店に並んでいる、人付き合いのマニュアル本には、初対面の相手と打ち解けるテクニックがいくつも紹介されている。ただ、それらの多くはある種の「型」を求めている。たとえば、「相手のことを、名前で呼ぶ」もその一つ。肩書ではなく、本名を繰り返せば、距離感が縮まると説く。間違いではないだろう。しかし、それだけで相手の気持ちがどれだけほぐれるのかはよくわからない。 多くのアドバイスは言語表現が中心になっている。確かに言葉遣いは大事だ。物言いで雰囲気をよくするテクニックもいくらかの効果は見込めるはずだ。でも、近年は「非言語コミュニケーション」の価値が広く知られ