今年も、ひとりの日本人投手がMLB(メジャー・リーグ・ベースボール)デビューした。ロサンゼルス・ドジャースの前田健太だ。決して前評判は高くなかったが、開幕から絶好調。5/7現在、6試合38回を投げて3勝1敗、防御率は1.66。完璧すぎるメジャーデビューに、アメリカ・メディアも手放しで大絶賛している。しかし、彼とは反対に、大きな期待をされながら結果を出せず、「反逆者」扱いされた日本人投手もいる。そう、伊良部秀輝(享年42歳)だ。 * 「I-rob-you!(アイ・ロブ・ユー、お前から奪い取ってやる!)」かつて、ヤンキース・ファンは、伊良部に向かってこう叫んでいた。 1997年、ニューヨーク・ヤンキースに入団した伊良部は、当時ロサンゼルス・ドジャーズに所属していた野茂英雄のような活躍を期待されていた。実際、彼はヤンキースのエースになると思われていたし、彼の発言も威勢が良かった。ヤンキースの名物