JR糸魚川駅の近くに、東西に延びる本町(ほんちょう)通り商店街がある。町家造りの築80年以上の建物が、ウナギの寝床のように立ち並んでいた。軒先からせり出す雪よけの「雁木(がんぎ)」が特徴だ。雪がしんしんと降る日にも、傘を差さずに買い物ができたことを思い出す。 出火から一夜明けた23日朝、商店街は、くすぶったがれきの山になっていた。子どものころに誕生日プレゼントを買ってもらった「おもちゃのおおせ」、小学校の体操服を買い替えた「コナヤスポーツ」。高校卒業まで18年間過ごした街は、焼け落ちていた。 火元の風下側にあった「居酒家…