第1回 前編 赤坂憲雄×旗野秀人×小森はるか「福島に生きる」は可能か。 2018年11月5日 公開 顕在化しなかった「水俣病」「鉱毒事件」はきっと日本中にある 小森 すごく大事なお話をたくさん聞かせていただきました。『阿賀に生きる』にも通じると思いますが、何かを訴えることよりも、運動していくなかで見えてくるものがある。それはこちらが見たい目線ではないんですね。「宝もん」って旗野さんがおっしゃるような生き方や暮らし方を見せてくれることのほうが、その暮らしを奪ったこの水俣病という病気の恐ろしさを伝えてくれる。旗野さんから私は、そういう表現の仕方や、「文化になる」という考え方を教えていただいたと思っているんです。赤坂さんはその少し後、山形に拠点を作られて、「野辺歩き」をしていろんな人に出会ったとお聞きしました。 赤坂 『日常と不在を見つめて』の本で、はじめて『阿賀に生きる』について文章を書かせ