第4節 アメリカ経済のアキレス腱 これまでみてきたように、アメリカ経済は、近年、大変良好なパフォーマンスを誇ってきた。しかし、そのようなアメリカ経済も短期的あるいは中長期的な課題を抱えている。本節では、このうち前者の短期的課題、すなわち、今後の景気動向を大きく左右しかねないいくつかの不均衡についてまとめている。これらの不均衡は、拡大を続けるアメリカ経済の、いわば「アキレス腱」とでも言うべきものであり、景気の先行きに対する一連の不透明感をもたらしている。これらアメリカ経済に存在する不透明感は、a)割高感の指摘される株価、b)低下が続く家計貯蓄率、c)経常収支赤字の拡大、d)インフレ懸念の高まり、の四つである。これらの不均衡は、長期にわたる景気拡大の中で徐々に蓄えられてきた歪みであり、特に、97年以降成長率が4%近くに高まる中で、不均衡の度合いも増していると考えられる。いかにしてこれらの不均衡
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