新型コロナウイルス感染症が脳や神経に及ぼす影響が懸念されている。急性期の症状が体にダメージを与えるほか、ウイルス感染による直接の影響もありそうだ。長く続く後遺症では強い疲労感で寝込んでしまう人がいるが、コロナ感染が長期的な認知症リスクを高めることも分かってきた。岐阜大の下畑享良教授(脳神経内科学)は「コロナはインフルエンザや風邪のウイルスとは全く異なる。無用な後遺症を避けるためにもマスク着用などの対策を続けることが大切だ」と話す。 ▽働き盛り 感染の急性期に起きる異常のメカニズムはさまざまだ。ウイルスが神経を伝って脳に侵入するほか、脳と血管を隔てる「血液脳関門」というバリアーが破れ、ウイルスや炎症物質が脳に入り込むこともありうる。 感染によって血管内に血栓ができて周囲の神経を傷つけたり、異常な免疫反応によって自分の体を攻撃する「自己抗体」が作られたりすることもあると考えられている。 「こう