一般的なリチウムイオン電池の電極製造工程は次の通り。まず、正極材や負極材、バインダー(接着剤)などを有機溶媒に混ぜてスラリーといわれる流動性のあるペーストにする。次に、スラリーを集電体となる金属箔に塗工し、乾燥炉で熱をかけて溶媒を除去する。乾燥したものをプレスして所定の厚さに仕上げ、ロール状の電極とする。 このうち乾燥炉は長さが50~100mに達する巨大な装置で、電池事業の投資額を莫大にし、二酸化炭素(CO2)排出量が多くなる主因となっていた。ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)によると、電池製造プロセス全体で消費するエネルギーの約3割を乾燥工程が占めていたという。