最近の金曜夜、日が沈んだばかりの (マンハッタンの)サウス・ストリート・シーポート地区で、「これは沈黙フラッシュモブ?」「それとも集団ジェスチャーゲーム?」と首をかしげるような光景が繰り広げられた。石畳の広場が仕切られて、300人くらいが踊りまくっていたのだ、音楽なしに。というか、音楽なしに見える形で。 実はそこでは3人のディスクジョッキー(DJ)が、聴き手の奪い合いを演じていた。ただし音楽はワイヤレスのヘッドホンからしか聞こえない。参加者は思い思いにチャンネルを選び、DJ3人のうち誰のチャンネルを聴いているかによって、それぞれのヘッドホンが赤、青、または緑色に光る。 これは「サイレント・ディスコ」と呼ばれる現象だ。コーチェラ、ボナルーといった野外音楽祭や、バー、結婚式場などで、どんなに盛り上がっても騒音条例や時間制限を守れる方法として広まってきた。または大学構内なら、勉強中の学生たちの邪