数年前の深夜、治安が悪い汚い街の、24時間営業の激安スーパーに行った。 その日は何かの帰りで、僕はなんだかとても淋しくて惨めな気分で、 なんとなく、普段は絶対行かないようなスーパーに寄ってみた。 どうせならどん底の気分に浸りたくて、200円の一番安い弁当を買って、 浮浪者に混じって路上で食べようと思ったのだ。 そのとき買った弁当はとりめしで、ご飯の上に錦糸卵が載っていて、 その上に味付けした鶏肉が載っている、シンプルなものだった。 食べてみて驚いた。美味しいのは予想していたのだが、 右半分の鶏肉は唐揚げで、左半分の鶏肉は照り焼きだったのだ。 僕はえらく感動してしまった。 こんな地域の激安スーパーの200円の弁当なんて、 腹を満たす、ただそれだけの為のものだと思っていた。 二種類の調理法をするってことは、それだけ手間もかかる。 しかし材料費は同じでも、手間の分、食べる楽しみが生まれる。 こん
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