磐田−清水のダービーで必死に応援する磐田サポーター。しかし、ホーム試合の平均入場者数は減少傾向にある=10月27日、ヤマハスタジアム 降格の土俵際に追い詰められても磐田のスタンドは閑散としていた。残り7試合で迎えた10月5日のホーム仙台戦。入場者数は全国各地で行われたJ1の8試合で最低の約8200人にとどまった。「少ないな」。運営サイドの関係者は伸びない客足に頭を抱えるしかなかった。 同じ残留争いが続いた2008年。降格の崖っぷちに追い込まれるほどにスタジアムの入場者数は増え、「残留」への熱い思いを多くのサポーターと共有できた。しかし、今季は様相が違った。 8月のヤマハスタジアム新装効果は限定的で、第31節終了時点の1試合平均入場者数は18チーム中17番目の1万859人。06年の1万8002人をピークに下落傾向が続く。J2に舞台が移る来季は一層の落ち込みが予想される。今季、降格1年目の
途中交代を告げられ、無念の表情でベンチに戻る前田(中央)。右から2人目は関塚監督=10日の鳥栖戦、ベアスタ 先発メンバーからエースの名前が突然消えた。8月の第20節アウェー広島戦。前田がベンチ入りしながら先発を外れたのは実に5年ぶりだった。残留争いから抜け出せず、「チームに変化を加えたかった」という関塚監督の苦渋の決断は、図らずもエースの不調を際立たせた。 前田は5年連続2桁得点まであと1点に迫るが、9点のうちPKが2点。前線での守備やつぶれ役など献身的なプレーばかりが目立ち、本来の役目は果たせていない。ワールドカップ(W杯)出場権獲得に貢献した日本代表からも遠ざかった。 リズムを狂わせたきっかけはいくつか挙がる。 一つ目は、5月まで指揮した森下元監督がサイド攻撃ではなく、中央突破を重視したこと。サイドの駒野から中央の前田へというホットライン頼みでは「ACL出場権獲得」の3位以内は果
試合前に円陣を組む山田(左端)ら磐田イレブン。残留争いから抜け出せず、悲壮感を漂わせ続けた=10月27日の清水戦、ヤマハスタジアム 初招集された7月の日本代表遠征から戻ってきた磐田の山田は日常の風景に違和感を覚えていた。「静かだな」。いつもと変わらないはずの大久保グラウンド。必死にトレーニングメニューをこなす選手たち。しかし、活気に満ちていた代表の練習を経験した後では物足りなく映った。 声を出し合い、意見をぶつけ合い、全員で戦闘モードに入っていく代表での日々は刺激的だった。「(浦和の)森脇さんはハーフタイムでも、自分が監督かっていうぐらい語っていた」。東アジアを制したチームの強さの要因を垣間見た気がした。 磐田の練習中に聞こえてくるのはスタッフ陣の声ばかり。黙々と汗を流す選手が多く、山田自身も大きな掛け声でチームを盛り上げたり、怒声を上げたりするタイプとは違う。「みんな、おとなしい」―
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く