1000万円以上するというティファニー製のステージ優勝トロフィーを挟んで、穏やかに撮影が行なわれている。 「それじゃ、2人でニヤッと笑ってみますか……」 カメラマンのリクエストを受けると、阿部勇樹はトロフィーを持って両手がふさがった後輩のわき腹をツンツン。変顔でも笑わせにいく。関根貴大は堪らず、のけぞって爆笑。33歳の大黒柱と20歳の新星が見せた微笑ましい光景に、その場の空気が一気に和んだ。 2015年6月23日、浦和レッズが第1ステージ優勝を決めたヴィッセル神戸戦の3日後。大原サッカー場には300人近い人々が詰め掛けていた。9年ぶりにリーグタイトルを手に入れた浦和レッズが、優勝後初めてファンサービスを行なったのだ。炎天下でサインや写真を求めるサポーターは、夏の太陽にも負けないほどの熱気を放っていた。 しかし、外の喧騒に反してタイトル獲得の当事者である2人は落ち着いている。謙虚で、浮つかず