ミンスク合意反故を訴えたウクライナのゼレンスキー大統領に対し、プーチン大統領は全面侵攻を決めた(写真・左:AFP=時事、右:Bloomberg) 2月24日、ロシアはウクライナへの軍事侵攻を開始した。ロシア国境からドンバス地域へ、ベラルーシからキエフへ、クリミアから北上の3つのルートで侵攻。ウクライナのミサイル防衛力の弱さを突いて、ロケットや巡航ミサイルによる軍事施設の空爆を行った。キエフ陥落は不可避とみられる。 ドンバスの紛争解決を目指したミンスク合意 ――急転直下の全面侵攻になりました。 ウクライナ紛争は基本的には領土問題であり、当事者であるロシアとウクライナが話し合ってミンスク合意の再締結、いわば「ミンスク3」を決めてドンバス地域に自治権を付与するといった方向へ進むのが理想的だった。それが無理だとしても、ロシアによるドンバス地域のみへの介入・駐留で済むのではないかとみていたが、最悪の