1980~90年代にかけて、日本の半導体産業と製造装置産業は共にシェアを拡大した。両者が密接に協力し合うことにより、高品質、高性能なDRAM製造に最適な装置およびプロセスを開発し、どちらも最強の地位を築いた。つまり、「共進化」した。 ところが、90年半ば以降は、両者が揃ってシェアを低下させた。「共退化」とも言うべき現象が起きた。代わって、TSMC(製造に特化した台湾の半導体メーカー)とASML(オランダのフィリップスから分社化した半導体露光装置メーカー)が共進化しているように見える。 本稿から4回にわたって、半導体メーカーと装置メーカーとの間の「共進化」現象または「共退化」現象について考察する。 半導体と製造装置のシェア動向はなぜ一致しているのか