ある種の鉄の化合物をワインや日本酒などに1日浸し、70度に加熱すると、電気抵抗が完全になくなる超電導の性質が生まれることを、物質・材料研究機構(茨城県つくば市)の研究チームが発見した。 同機構ナノフロンティア材料グループの高野義彦グループリーダーは「酒に含まれる何が原因かは不明だが、新たな超電導体の開発の足掛かりになる」と話している。 研究チームは当初、超電導物質と構造がよく似ている鉄テルル化合物を作製し、性質を調べたが、超電導を示さなかったため机の上に放置。約1週間後に再度調べると、超電導を示すようになっていた。 高野さんらは、空気中の水分が影響したのではないかと考えて、水や、水酸基(OH)を含むエタノールなどに浸して温度や濃度を変えて実験したが、超電導を示す効率は悪かった。 3月に同機構の懇親会でさまざまな酒類が出されたのを見た高野さんが、酒で実験することを発案。赤白のワイン、ビール、