社会情報リテラシー講義:福島原発事故をめぐる「安全」報道を考える 第1回 「科学」「安全」「安心」:問題を整理する 1. はじめに これから数度にわたって、できれば2、3日に1度の割合で、福島原発事故をめぐる「安全」報道について、社会情報リテラシーの観点から考えてみます。 日本政府は2011年3月11日、原子力緊急事態宣言を発令しました。炉水低下、水素爆発、使用済燃料プールの問題などが立て続けに起きました。 各地の空中放射線濃度が高まり(その後、一応落ち着いているようですが)、ほうれん草や原乳から放射能が、また原発付近の海水から基準値を上回る放射性物質が検出され、さらに2011年3月23日には東京の水道からも乳児の「暫定基準」を越える放射性ヨウ素131が検出されたことから、東京は安全だとか安全ではないとか、「1年間食べ続けても大丈夫」とか、様々な報道が広まっています。 ネットを見ると様々な