2月9日 日本の銀行は本当に情けない存在だとつくづく思います。 失われていた10年を経過して、少しは進歩したかと思いましたが、 こと事業会社への融資という点で言えば、一つも進歩していないのではないでしょうか。 ご存知のように、サブプライマリーローンの破綻問題で、 アメリカが、低所得者向けの住宅ローンはもちろん、不動産向け融資全体が収縮するのはよく分かります。 また、サブプライマリーローンの破綻問題の余波を受けたヨーロッパでも、 アメリカ同様不動産向け融資が少なくなるのも分かります。 さらに、このサブプライマリーローン問題の影響がそれ程出ていない日本でも、 サブプライムローン問題とは別に、 不動産が加熱したことで、不動産向け融資がネガティブになっていることについて、 今のような総量規制的なやり方が正しいとは思っていませんが、でもまだ理解できます。 しかしながら、普通の事業会社向け融資自体まで
5年以上前に作成した田中版「ネットの経済学」(掲示板時代のネットの経済学)のその続きの準備といってはなんですが、やはりブログの中でどう経済問題が議論されているのか、そしてそもそもブログ自体の経済的考察にはどんなものがあるのか、ここ数日いろいろ資料を集めているわけです。ブログ自体の経済的考察というのはそれほど豊富ではありませんで、『Public Choice』が今年度の第一号で特集を組んでいてその中にいくつか面白そうな論文があります(入手できてません)。 特に個人的な関心を抱いたのが以下のキャス・サンスティーン教授の論文 Neither Hayek nor Habermas http://www.springerlink.com/content/b8167107l4662l47/?p=8bbcf017ea9d4fcb9dc0f27f6d0ed614&pi=5 Abstract The ris
助教授のリクルーティングの時期もそろそろ終わり。つい先日には、うちに来たキャンディデイトを招いてディナーパーティーがあった。今年は理論家では公理的意思決定理論をやってるやつが多くて、彼もその一人。「どう、仕事取れそう?」とか聞いてみると、アメリカのすべてのトップの大学から招待されていて、もうオファーもでてるんだとか。 (主観的)期待効用理論ってのがある。50%の確率で$1をもらえて、50%の確率で$2をもらえるとしたら、その期待効用は0.5u(1)+0.5u(2)で表される。uは効用関数。より一般的には、 という感じ(p(x)はxの確率、fはギャンブル:f(x)はxが起こったときの賞金)。これはどの教科書にものっている基本事項。 さて、このタイプの効用関数はいろいろと批判されているが、一つ有名なのがいわゆるエルスベルグのパラドックスというやつ。 エルスベルグのパラドックス コインをほうり投
投資家が有価証券取引報告書や大量保有報告書を閲覧するのに使用しているEDINETですが、現行EDINETは、XBRL導入開始に伴い、今年の3月17日から新EDINETに移行される予定です。 簡単に気になるポイントを備忘録としてまとめましたので興味のある方はご覧下さい。 1. 新EDINETへの移行時期 平成20年3月17日(約1ヶ月後) 2. 閲覧用HPの新アドレス http://info.edinet-fsa.go.jp/ (まだアクセス不可) 3. EDINETコード体系の変更 ・平成19年度以前の書類提出に使われたEDINETコードは変更され、 新たなEDINETコードが付与される。 ・ファンド情報はファンドコードとして分離される。 ・新EDINETでは、会社が複数のファンドを運用している場合、 ひとつのEDINETコードに複数のファンドコードが関連付けられる。 ・連名提出者もEDI
開発者が楽しく仕事できる環境とはを読んで。 ペアプロについて 以前いた会社を辞める前に、引継ぎとして(そして個人的な実験を兼ねて)ペアプロをしてみたことがある。確かに効率的だった。近藤さんのおっしゃるような効能を容易く体感できる。僕は何一つドキュメントを書かなかったが、しかしこの引継ぎは「xxx引継ぎ資料20050806.doc」なんていうWordファイルを書いてこれを元に1時間プレゼンして、このファイルをファイルサーバの奥深くに格納するよりもはるかに効果的だった。 ヒント:そういう引継ぎはやらないよりは幾分ましだが、せいぜい「話題の映画のあらすじを教えてもらったから世間話ができる」という程度のご利益しかない。大事なことはいつだって行間に書いてあるのだ。 ペアで作業を行うため仕事以外の事は一切できない(一人で作業しているとついついメールをチェックしたりウェブを見たりしてしまいます) 「これ
2005年10月08日19:07 カテゴリLogos 自由の反対は? 体調不良が長引くと、帯状疱疹のごとく沸き上がってくる質問がある。 自由意志なるものが本当にあるかどうかということである。 週刊!木村剛 powered by ココログ: [ゴーログ]セロトニンと食生活と希望格差社会 脳科学に疎いせいかもしれませんが、私としては、「自分の人生を決めるのは自分である」というテーゼについてはこだわって生きていきたいと思っています。「自分の人生を決めるのは他人である」とか「自分の人生を決めるのは社会である」とか「自分の人生を決めるのは環境である」ということになったら、人生楽しくありませんから・・・。 自由意志の存在はこのテーゼの大前提なのだが、この前提は、実のところまだ肯定的にも否定的にも証明されていない。 我々が「自由」という言葉を使うとき、その反対はというと「拘束」とか「秩序」とかといった言
ラプラスの悪魔(ラプラスのあくま、英: Laplace's demon)とは、主に近世・近代の物理学分野で、因果律に基づいて未来の決定性を論じる時に仮想された超越的存在の概念。「ある時点において作用している全ての力学的・物理的な状態を完全に把握・解析する能力を持つがゆえに、未来を含む宇宙の全運動までも確定的に知りえる[1]」という超人間的知性のこと。フランスの数学者、ピエール=シモン・ラプラスによって提唱された。ラプラスの魔物あるいはラプラスの魔とも呼ばれる。 学問の発達により、近世・近代には様々な自然現象がニュートン力学(古典物理学)で説明できるようになった。現象のメカニズムが知られると同時に、「原因によって結果は一義的[2]に導かれる」という因果律や、「全ての出来事はそれ以前の出来事のみによって決定される」といった決定論の考えを抱く研究者も現れるようになった。その一人が、18世紀の数学
ジョージ・ソロス(英: George Soros、1930年8月12日[1] - )は、ハンガリーブダペスト生まれのハンガリー系ユダヤ人の投資家、トレーダー。ウォーレン・バフェット、ジム・ロジャーズとともに世界三大投資家としてよく知られる[2]。 天才投資家として知られ「イングランド銀行を潰した男」(The Man Who Broke the Bank of England) の異名を取る。 ソロス・ファンド・マネジメント(英語版) (Soros Fund Management) 会長、オープン・ソサエティ財団 (Open Society Foundations; 旧称: Open Society Institute) 創設者、彼の生まれ故郷でもあるブダペストにある中央ヨーロッパ大学 (CEU) 共同創設者、Project Syndicate 出資者、シンクタンク Institute fo
Dan氏のところには訳本が届いたようだが、私は原著しかもっていないので、それをもとに書く。したがって例によって、これは書評ではない(書評は2/25発売の週刊ダイヤモンドに書く予定)。 原著は2004年に出て大反響を読んだが、同じ著者のこれを上回る傑作、Black Swanが出たあと訳本が出たのは残念だ。本書の議論はBlack Swanで深められているので、1冊読むなら、そっちを読んだ方がいい。実は、本書は別の版元で最後まで訳したのだが、あまりにも訳がひどくて廃棄され、ダイヤモンド社でやりなおしたという経緯がある。 ここでは、1点だけコメントしておく。それは著者の議論のコアになっている素朴ポパー主義だ。ポパーについては、当ブログで私が批判すると、アマチュアから粘着的なコメントが来るが、もはや見捨てられた過去の哲学者であることは世界の常識だ。著者もそれを前提にしているのだが、彼はあえてポパ
北畑隆生氏の「株主はバカ」発言は大反響を呼び、ブログ検索でみると倖田来未の「羊水」発言を上回っている。しかし経産省では、blog.goo.ne.jpは有害サイト(?)としてフィルタリングされているそうなので、官僚諸氏が休日に読めるように、これまでの議論を整理してみた。なお、この記事は専門的で、一部は過去の記事やコメントと重複するので、興味のない人は無視してください。 ●会社はだれのものか 今回の問題の本質は「バカ」発言ではなく、北畑氏の「真意」を説明した講演録にある。その「会社は株主だけのものか?」というタイトルに示されるように、彼のねらいは会社法の「会社は株主のものだ」という規定の批判にある。彼はこう問いかける:今の会社を見たときに、利益を生み出しているのはだれだと言えるでしょうか。お金は日本に千四百兆円あるわけですし、世界中に金があふれ返っていて、お金を持っている人が「全部、おれの
資産運用が自由化された日本では1990年代に入って運用を巡る競争が激化し、さまざまな問題が浮き彫りとなってきました。ある種の状況下では資産運用の本来の目的から逸れた行動をとることがファンドマネジャーにとっては合理的な行動となり、評価に対する心理的プレッシャーがファンドマネジャーの行動に歪みを生じさせるようになった、というのもそうした問題の1つです。運用機関と系列金融機関の関係が非常に強いため、運用機関内部での経営とファンドマネジャーの関係がファンドマネジャーの行動に非常に強い影響を与えるという問題もあります。 ファンドマネジャーのインセンティブ構造は資産運用を考える上で非常に重要となります。インセンティブ問題には、一時しのぎの運用パフォーマンス向上を狙ったwindow dressing、都合のよい情報だけを提供するself-marketing、非難を回避し、目立たないようにするためのcoo
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