飛躍の出発点となった、ペンセントラル債と崩壊の兆し 1956年に連邦支援高速道路法が制定され、北米大陸は高速道路網構築により、陸運輸送が飛躍的に成長した時代です。大陸間横断の物流輸送を除き、鉄道会社は窮地に陥り、東部地域最大のペンセントラル鉄道会社は1970年6月に倒産し、会社更生法の適用を受けました。米国史上最大の企業倒産劇でした。ミルケン氏は、早速ペンセントラルの業務や資産内容を徹底的に分析し、結論は債務が100パーセント返済されると確信しました。その時点で、ペンセントラルの発行債券は額面100に対し10程度の価格で取引されていたのです。 合併により、新なビジネス・チャンスを得たミルケン氏は水を得た魚のように、分析結果をもとにペンセントラル債を投資家に売りまくりました。フィラデルフィア在住で、毎朝その倒産鉄道の始発に乗り、ニューヨークまで2時間程の通勤生活となったのです。車両内部は薄暗