先行者の多くは予期せぬ罠に落ちて早死にする。あるバスは腐った橋桁とともに谷底に落下し、別のバスは案の定の地雷を践む。無論、幸運な何台かのバスは、目的地に到達することだろう。が、ゴールに着いた時、荒れ地を走ったバスの乗客は満身創痍になっている。その九死に一生をゲットするに至る旅を楽しめるのでないのなら、初期バージョンには飛びつかない方が無難だ。 銘記しておこう。時代のバスは、遅れ気味に出発する。 前車の覆る様子を十分に観察した上で進むのが賢者のルートハンティングだ。 とはいえ、先行者には先行者の至福がある。 足跡のついていない大地。未踏の山々。僕の前に道は無い。僕の後ろに道は出来る。ああ、自然よ。父よ……そういうポエティックな至福と詩的な破滅。ああ。足の下には穴がありました。ああ。 てなわけで、新しい何かを見つけた冒険者の足は、自動的にその方向に進む。余儀なく。 幸いなるかな青き梅を食する者