外村大(東京大学大学院総合文化研究科教授) 聞く者を混乱させる日本政府の見解 日韓間の重要懸案であった「徴用工問題」=強制動員被害の問題について、政府間での決着の見通しについての報道がなされている。韓国の訴訟で確定している被害への慰謝料については、韓国政府系財団が支払う、日本政府は、これまで出された首相談話、日韓首脳の共同声明での植民地支配への反省を改めて確認する――ということらしい。 「村山談話や小渕・金大中声明について、考え方は変わっていません」というのは悪いことではない。他方、「だから何?」という印象も受ける。別にそれがいったん反故にされているとか、失効していたとかいう話は聞いたこともない。それらは現在でも日本国外務省のサイトに掲載されていて、内容を確認したければ現在でも誰でもできる。 つまり、「今までどおりです」とわざわざ言うだけに過ぎない。ここで考えるべきは、なぜ、「今までどおり
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