Tweet 2010/9/30:0 地方議会の現状をどのように考えるべきか 待鳥聡史 最近、地方政治における対立が顕著に表れるようになっている。 ◇議会そのものの否定◇ とはいえ、地方政治にはこれまで対立がなかったと信じられているのだとすれば、それは単なる思い込みか「神話」というべきであろう。 現在の地方自治制度が形成された戦後にかぎっても、首長と議会、議会と職員、首長と職員、さらには議会内部に、さまざまな対立が形成されてきた。とくに、首長と議会多数派が異なった政党を基盤としている場合には、両者の対立は先鋭的なものになりがちであった。1970年代を頂点に、大都市やその近郊で多く見られた革新自治体は、その典型例である。 ただ、これら過去の例と最近の例のあいだに大きな違いもある。 それは、近年の対立の場合、とりわけ首長と議会が対立する際に、首長が議会内の反対派だけではなく、議会を全体として否定