夫とともに2歳6カ月の長男をごみ箱に閉じ込め窒息死させたとして監禁致死罪などに問われた母親の無職、菅野理香被告(35)の控訴審判決で東京高裁は6日、裁判員裁判で懲役7年とした1審東京地裁判決を支持、被告側の控訴を棄却した。 判決理由で中山隆夫裁判長は「愛情を注ぐべき実子の体や生命に対する配慮を欠いた虐待の極みとも言うべき悪質な犯行で1審の量刑は正当」と述べた。一方で、1審の訴訟運営や事実認定の在り方を「いささか相当でない」と付言した。 中山裁判長は1審であった夫の証人尋問で「夫からの暴力が怖くて意向に逆らえず犯行に加担した」とする理香被告の弁解について質問がなく、理香被告の弁解の当否を吟味しなかったと指摘。「裁判員の分かりやすさや評議の充実という観点から、夫の尋問を再度行うなど理香被告の弁解内容の真偽を確認できるような訴訟運営を考えてもよかった」とした。