◇司令官の孫「伝えることが私の使命」 「軍隊は住民を守るのか考えてください」。東京都福生(ふっさ)市で8日に開かれた市民講座で大田区立小学校教諭、牛島貞満さん(56)=世田谷区=は約20人の受講者に、沖縄の基地問題を語っていた。 祖父は、旧日本軍の沖縄守備隊約10万人を率いた牛島満・陸軍中将。牛島中将が自決した1945年6月23日は、沖縄での日本軍の組織的戦闘が終わった日とされ、県は戦後、その日を「慰霊の日」と定めた。毎年、島は祈りに包まれる。 祖父の命日。牛島家では一族総出で靖国神社を参拝するのが習わしだった。牛島さんも学校を休んで親に付いて行った。家には軍服姿の写真や勲章が飾られ、「おじいさんは偉かったんだよ」と教えられた。 教員になり、平和教育に力を入れたが、広島・長崎への原爆投下は教えても、「沖縄」にはずっと触れないでいた。20万人もの犠牲を出した沖縄戦を指揮した祖父とどう向き合え