2024年9月号で本誌が報じた、「みんなで大家さん」成田プロジェクトに関する鑑定評価書の存在。その後の分析で明らかになったのは、専門家も理解に苦しむ土地価格の算定だ。評価額は最大で相場の100倍を超え、不動産鑑定業の信頼に関わるとの声も出ている。監督当局との裁判が続く中、運営元は大阪で“いわく付き” 物件の販売に乗り出した。 本誌記者の手元に、業界関係者のひそかな注目を集める不動産鑑定評価書の写しがある。「みんなで大家さん」を展開する、共生バンク(本社:千代田区)の依頼で作成されたもの。同社が大阪府および東京都による行政処分の差し止めを求めた一連の裁判で、自らの正当性を示すために裁判所に提出した。 共生バンクは、インバウンド客を意識した複合商業施設の建設を計画し、成田国際空港近くにある東京ドーム10個分の広大な山林を造成中。土地の一部は主力商品「シリーズ成田」1号〜18号として証券化済みだ