近所のマクドナルドに何気なく立ち寄った時、近くに住んでいると思しき子供が、母親にこんな質問をしていた。 「ねえ、パパはなんでお仕事に行くの?」 母親は答える。 「働いてお金をもらうのよ。」 「何でお金をもらうの?」 「お金がないと食べるものも着るものも買えないから。」 「ふーん。何でお金がないと買えないの?」 「売ってるものはお金がないと買えないのは当たり前じゃない。」 「なぁんでー?」 「……」 母親、ギブアップである。 買えば手に入る、という生活スタイルが当たり前となったのは、実はごく最近だ。 これは「市場経済」の恩恵であり、市場ができる前は自給自足の経済、すなわち「必要なものは自分で作る」のが基本であった。 市場経済はヨーロッパで誕生した。 西暦486年、西ローマ帝国が滅亡し「中世」と呼ばれる時代が始まると、その主役は各地に散らばった封建領主となる。 封建領主が支配する時代にはおよそ
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