学術論文に日常的にアクセスできるかどうかは研究生活を支える最も重要なインフラの1つと言っていいだろう。大学・大学院を卒業し民間企業に就職してしまうと多くの場合は出版社と契約していないため、マトモに入手しようとすれば論文1本40ドルなどと吹っ掛けられることとなる。旧帝大をはじめとする恵まれた研究大学にいると論文が手に入るのは当たり前という感覚になるが、残念なことに大学の外に一歩出ればPDFなど落ちていない。運が良ければ著作権を無視した著者がresearchgateにupしたPDFがあるかもしれないが、多くの場合は「Purchase PDF」とボタンが出てきて諦めることになるだろう。東大の大学院を修了して地方国立大に異動したポスドクが「こんなに論文が手に入らないなんて」などと嘆くシーンも何回か見かけたが、その地方国立大の契約誌数ですら圧倒的にうらやましく感じるのがアカデミア外の在野の研究者生活