菅内閣発足から1週間あまりがたちました。内閣発足の前夜の9月15日、ゴールデンタイムに放送された歌番組では、閣僚に決まる予定の政治家の名前を伝えるテロップが頻繁に表示されていました。歌番組の途中で速報を知らせる音が差し込まれる状況に、ツイッターで巻き起こったのが再放送を求める投稿でした。ネットに膨大な情報があふれかえる時代、メディアの「とにかく速く、たくさん出す」姿勢に対して、デメリットが目立つケースも生まれています。速さや量を求めるあまり失っているものはないのか。ネット時代の「急がない勇気」「出さない価値」について考えます。 再放送を求める声 9月16日に発足した菅内閣ですが、発足前夜は、新聞社を含む報道各社が、大臣に決まりそうな人物の名前を速く伝えようと速報を発信しました。その結果、テレビでは歌番組にテロップが容赦なく入り込む事態になりました。 閣僚という大事なニュースを速く伝えたいと