ここのところ、SNSからメディアまで、あおり運転殴打とその容疑者逮捕の話題で持ちきりだ。これを書いている今も、テレビの情報番組では容疑者の「素顔」とやらを追っているし、ヤフー・ニュースのアクセスランキング上位5位中1、2、4位はその関連ニュースだ(※8月9日14時現在)。 恐ろしく「ありふれた」事件でもある ただ、この事件が話題になり始めた頃から、どうにも違和感が拭えないままでいる。確かに、2017年6月の東名高速道路におけるあおり運転がもたらした追突事故は痛ましく、あおり運転への国民の問題意識を大いに高めたのは疑いない。だが、今回の事件で指名手配となった容疑は傷害に過ぎない。大々的な指名手配や、国家公安委員長が言及するような事件とも思えない。 誤解を与えかねないので先に書いてしまうが、筆者は本件は逮捕に値すると思っているし、容疑者が逮捕されたことに安堵している。だが、事件そのものは、死亡