(前回から読む→「5年で首位を獲ったソニー。「技術だけでは勝てなかった」」) 市場の声を聞く「覚悟」 スマホが「写真を撮るだけではない」市場を制圧したあと、デジタルカメラは「カメラ」の大本に回帰していって、そこで「電機屋さん」といわれたソニーが、今、唯一伸びているフルサイズミラーレスの市場でトップを取っている。この構図がすごく面白いですね。そして、それが可能になったのは、コンパクトデジカメ時代の“失敗”があったからではないかと。 石塚:自信を持って出したカメラが市場からそっぽを向かれる失敗を繰り返し、コニカミノルタの事業を引き継いだデジタル一眼レフは鳴かず飛ばず、しかも自分たちの強みだと認識していた「写真を撮るだけじゃないカメラ」市場は、もうスマホが持っていくことが分かった。そこでようやく「我々ソニーは、カメラの世界では“弱者”なんだ」と理解することができたわけです。 なるほど。 石塚:だ