僕は創価学会の家に生まれて、大学に入るまでは自分も熱心に信仰していた。今は宗教活動はまったくしていないけれど、当時はそれはもう熱心だった。その熱心さを買われて、大学時代は、優秀な信仰者が集まる人材グループに選ばれることになった。 大学に入学したころは、自分がゲイであることにさんざん苦悩したあげく、ようやくそれを受け入れて前向きに生きていこうと考えるようになっていた時期でもあった。その悩みが晴れた喜びと決意は、信仰によって勝ち取ったものだった。人材グループでも尊敬する幹部にそのことを話したのだが、これがその後10年も尾をひくことになった。その幹部は同性愛を否定したのだった。宗教組織の中心にいたその人に同性愛を否定されて、自分自身をつくりあげてきた礎ががらがらと崩れ去ったのを感じた。自分がゲイであることは変えられないのに、それをあってはならないことのように言われ、海岸の水がひくように一気に宗教
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