アベノミクス論争はもうやめよう。必要なのは、真の経済学論争である。 巷のアベノミクス批判、あるいは支持は、政治的な論争であり、われわれ経済学者とは関係がないだけでなく、経済学に対する不信を招き、本来行うべき経済学の論争の機会を失ってしまっている。またこうした形だけの経済政策論争は、政治的な論争、さらに悪いことに、似非(えせ)経済学者の売名行為、社会的地位獲得のための争いとなってしまう。これらは、アベノミクスがもたらした経済政策アリーナにおける最大の罪であろう。 実質的にわれわれが議論すべきは、もちろん金融政策、クロダノミクスである。黒田東彦・日銀総裁のサプライズ戦略――これは市場を驚かせて、市場での中央銀行と投機家のゲームをリードし、完全に彼らを支配することによって、前半戦は黒田氏が圧勝した。これが前日銀総裁の白川氏が唯一できなかったことである。ただ、前半勝ちすぎたために、後半は投機家たち
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