被災地の復旧や復興が世界の注目を浴びている。例えば、世界に対する部品供給への打撃で象徴的な製品に、ルネサスエレクトロニクス社のマイコンがある。市場シェアは世界の三十数%で、その部品がないと3万点近い他の部品がそろっても自動車にならない。 復旧の時期を内外の自動車メーカーは固唾(かたず)をのんで待っている。被災した他のハイテク部品の工場も復旧を早め、世界への供給責任を果たす計画を明らかにする必要がある。 先週、政府の復興構想会議がスタートした。ここでも、全体を貫く軸をできる限り早く、明確にするべきではないか。世界の共感を得られる進め方が不可欠で、復興計画が内外に対してどこまで説得力を持つかということが、その成否を左右する。 これまで世界から多くの支援が寄せられたが、政府の構想力や決断への評価は低かった。救いとなったのが、被災者の方々が示した忍耐力や責任感、助け合う絆の強さなどへの諸外国