かつてアジアを侵略した日本と、大きな苦しみを味わった中国、韓国が、歴史認識を共有することは可能なのか。3国の歴史学者や教師らのグループがこの難しい課題に挑み、東アジア近現代の歴史書を共同で編集した。6年を費やして記述を統一。尖閣諸島や竹島の領有問題をめぐり歴史に関心が集まる中で今秋、刊行された。 グループは「日中韓3国共同歴史編纂(へんさん)委員会」。大日方(おびなた)純夫・早稲田大教授や笠原十九司(とくし)・都留文科大名誉教授ら3国から40人以上が参加した。 2006年に共同編集に合意。国別の分担を決め、原稿を互いに批評して修正する作業を続けた。国際会議を14回開き、メールも頻繁にやりとりした。日本では『新しい東アジアの近現代史』上下2巻(各2625円)として日本評論社から出版された。 大日方教授は日清戦争の時代を執筆。日本がいつから朝鮮や中国への勢力拡張を目指したのかが大問題で、日本で